§1. 201610月に胆振地方の病院での扱われ方に怯える

 

 口のなかの舌に腫瘍のようなものができて、胆振地方では口腔外科があまり無く、ある病院で診察を受けました。

採血やCTも済み、医師の診察が終わり廊下で待っていると、外来の受付女子事務員(45才位小太り)が来て、『手術は12月12日と決まりました。』と廊下で突然手術日を宣告されました。

自宅に戻り家族と話しをすると『病名は何なの? どんな手術をするの? 血液検査の結果は?』と問われ、何も分からない事がわかりました。

 

その翌日、その病院に再来の手続きをして医師の説明を求めると『先生は本日休みです。外来の看護師から説明を聞きますか?』との事で、口腔外科外来に行き看護師の説明を求めました。

 すると看護師では無く、また例の受付女子事務員(45才位小太り)が出て来て、『看護師は説明に来られません。私が説明します。病名は分かりません。どんな手術か分かりません。手術前に準備する内容も分かりません。』と怒った顔で強気な発言を繰り返して頑張るのです。

血液検査の結果を求めると、『本当に知りたいのですか?手術の後では駄目ですか?』と、けんもほろろなのです。「どうしても教えて貰いたいなら頭を下げて頼め!」的な威圧に驚きました。

 

これでは話にならないと諦め自宅に戻り家族に相談し、ここでの手術はやめた方が良いと皆の考えも決まり手術を辞退し、改めて札幌の北海道大学病院に予約の電話をすると対応が的確で早く、「保険証を持って明後日歯科口腔外科を受診してください。」と即決でした。

患者への対応が『この場合⇒こうする』とフローチャート図が完璧に出来ていて、末端の事務員にまで浸透されていると感じました。一流の病院は事務受付けの対応までも素晴らしいのでした。

 

§2. 初めての北海道大学病院 2016年11月8日

地図でも確認したのですが、この病院は想像以上に広いし凄く大きいです。

私の経験した病院の中では一番広大で設備も新しく立派なのです。

 

 

しかも歯科だけで、5階建てのビルディング一棟なのです。

【 歯 科 

[むし歯・歯周病科]

予防歯科

むし歯科

歯周病科

[義歯・かみ合わせ科]

義歯科

クラウン・ブリッジ歯科

高齢者歯科

[矯正歯科]

矯正歯科

[小児・障がい者歯科]

小児・障がい者歯科

[口腔科]

口腔内科

口腔外科

歯科放射線科

歯科麻酔科

[高次口腔医療センター]

顎関節治療部門

顎口腔機能治療部門

口腔インプラント治療部門

[口腔総合治療部]

口腔総合治療部

 

(2016年当時の歯科医師の銘版)

 

歯科医師の銘版を見ると、医師総数は300名くらいでした。

北大病院に勤務している人によると、給料を貰って仕事をしている医師は一部で、無給の医師もかなり居るとの事ですが、歯科だけでこれほどの医師在籍数に驚きました。

おそらく北海道・東北・北関東では一番大きくて充実した病院と思います。

 

受付をすませて3階の口腔外科に入り、9時に看護師の案内で診察台に上がりました。初診は30代の先生から質問を受けて、8月末からの経過を説明して始まりました。9時30分までその先生により触診や問診などが行われました。

そのあと科長の長峰先生や部長先生が代わる代わる丁寧に診察し、9時50分頃、部長先生から病名を説明されました。三種類の病気が考えられるとの事です。

1番目の病名は長い病名で覚えられませんでしたが、要約すると前歯で舌が傷つき、その傷を治そうと肉が盛り上がり、それをまた前歯で傷つけて被害が大きくなり現在に至った、という推測が1番当てはまっているらしいです。

2番目に「にゅうとう なんとかかんとか・・・?」と病名が長くて覚えられなかったもので、これも大したことはない様子でした。

1番、2番を合せた確率が7割だそうです。

3番目に「舌癌の可能性もありえるが、おそらく心配ないだろう。」という診断でした。診察が終了したのが10時15分で、部長先生、長峰先生、若い先生と3名の医師で1時間15分丁寧に診て頂きました。

 

 

2回目の診察 2016年11月15日。

舌の腫瘍が腫れて痛みが有り、前の晩に北大病院近くのホテルに宿泊しました。朝タクシーで病院に到着し、北大病院口腔外科の再来機で受付しました。

舌の診察の結果、良性の腫瘍と思われるという丁寧な説明が有りまして、手術日は12月8日と決まりました。

その後、看護師から手術の内容を理解しているか質問が有り私がほぼ病気や手術内容を理解していると確認後、手術前に注意することや手術前に準備することの説明が有り、さらに詳しい説明書一式が渡され不明な事は電話でも質問してくださいと、きめ細かな対応です。

丁寧なインフォームドコンセントとコンプライアンスが徹底しており大変安心です。

その説明のあとに手術の同意書にサインしました。

ここまでの経過で安心するとともに、手術の緊張感を持ち室蘭に帰りました。

 

舌手術 2016年12月8日

 雪による電車の遅れを考慮し、前日に北大病院近くのホテルに宿泊しました。

12時30分から手術室の前で待機し、午後一番で手術が行われました。

全身麻酔ではなく部分麻酔で行うと説明がありました。これは入院しなくて良い事と、治りが早いという利点があります。

手術室はかなりの台数があり、ベッドではなく、歯医者さんの治療イスを大きくしたような椅子です。

若い先生が舌を指で引っ張りまして、科長の長峰先生が麻酔液が入った注射器を舌の10箇所くらいに突き刺して麻酔液を注入するのですが、かなりの痛さなのです。料理を味わう超敏感な場所なので、鋭い痛さです。

舌を指で引っ張られているので喋られませんが、長峰先生が「大丈夫ですか?」と問いかけながら、メスで腫瘍部を深くV字型にエグルように切除していきます。そして針と糸で傷口を縫合して終わりました。

かなりの痛さだったので、終わった時はホットしました。科長の長峰先生から「あと2時間したら食事して良いですよ。」と説明があり、すぐ食べられると聴き、えっ!と驚きました。

洗面所の鏡で舌を観察すると、黒い糸できっちりと縫合されていて出血も有りませんでした。

手術の2時間後に病院のレストランでお粥を食べて美味しかったです。

 北大病院口腔外科の技術の高さと回復経過の速さに驚きながら、次回にまた舌の手術をするときは全身麻酔でお願いしようと密かに思うのでした。

 

術後の診察 2016年12月9日

 手術の翌日は術後の診察と傷口の消毒が行われ、次回の診察は翌年の1月と決まりました。1月の診察では細胞検査の結果、悪性腫瘍(癌)では無く安心しました。また再発した時は、いつでも北大病院が診ますと言われて安心しました。正式な病名は「血管腫」でした。


東室蘭駅から札幌駅まで特急電車で1時間20分です。

札幌駅から北大病院までタクシーで7分の近さです。

周辺にはホテルも有ります。


口腔外科など特殊な専門科は札幌の北大病院でお願いでき、高度な治療が受けられる事を体験しました。

他院の口腔外科の人から話を聞きますと、舌の表面の手術後に味覚障害が出るケースも有るそうですが、北大病院での手術後は、以前とまったく同じ味覚で料理を楽しんでいます。

また舌手術後6年を経過してますが、再発も無く安心して暮らしています。


室蘭の製鉄記念室蘭病院と札幌の北大病院で診察や高度な治療を受けられる事は大きな安心で本当に有難いです。

 

 

北大病院のサービス施設

・レストラン和洋中(メニューにお粥まであります)

・珈琲店(注文してからコーヒーを淹れます)

・サーティワンアイスクリーム店

・理容店(少し大き目の店)

・美容室(やや小さ目の店)

・コンビニエンスストア(介護・下着用品も有り)

・クリーニング店(下着なども洗ってくれる)

・宅急便受付

 

 

 

 

 

 

それぞれの店が繁盛していました。

これだけのお店が有れば長期入院でも便利に暮らせると思いました。

北海道の医療は素晴らしい!

室蘭の医療も素晴らしい!