「セッシャは轟次郎右衛門という天下の大絵描きなんだがな」
「ちょっとばかしパンチの効いた絵を描くんで、こうしてたまにお上にしょっぴかれちまうんです」
看守「次郎右衛門。口をつぐめ!」
次郎右衛門「はいはい…分かりましたよ」
「…と、こんな感じです。せせこましいですが、住めば都。今では牢屋で回し読みされてる冊子はすべてワタクシが書いてますから」
「えっ?どんな冊子かって?これですな」
次郎右衛門の懐から出された和綴じの本の表紙には「町娘とそそり立ちなす妖怪」とあった。
元祖・岩谷テンホーである
次郎右衛門「じゃ、アタクシは新作の執筆に当たるんで、ここらへんでおいとまします」
看守「おい次郎右衛門。新作が出来たらまずワシに見せるんだぞ!他の誰にも渡すなよ」
次郎右衛門「へぇ。旦那がいつも一番でございますから」
完
