攘夷「ハッ。稽古に疲れて今まで昼寝してしまった。」
女中「攘夷様が大層気持ち良く寝ておられるので、そっとお布団をかけておきましたよ。ウフ。まるで赤子みたいな寝顔でしたよ。カワイイ。」
攘夷(ちょっと照れて女中と顔を合わせられない。)「か…かたじけない。…アレ、ワシの守り刀はどこだッ?」
女中「お布団の脇にちゃんと置いてありますよ。」
攘夷「おぅ、そうであったか。ワシの百舌鳥光丸(モズライト)は幾度かの戦でワシを見守ってくれた大事な守り刀だッ。末代までの宝。なくす事は許されんからな。」
女中「どこで求められたんですか?そのような刀を。」
攘夷、刀を手に構えながら「これはな、ワシが最初に合戦に参加したとき、幼馴染みの同業のヤツから戴いたのよ。」
女中「へぇ。そのお方は今はどうしておられるんです?」
攘夷「そいつはその戦で命を落としたんだ。だからこの刀はそいつの分身だと思い、大事にしとる。」
女中「攘夷様…そんな経緯がおありだったのですか。変な話をしてしまい失礼しました。」
攘夷「かまわん。それより腹が減ったから、早く飯にしてくれ。」
女中「ウフフ…やっぱり赤子のようですわ。」
攘夷「(顔を赤らめ)…うるさい。とっとと晩飯の支度と晩酌の用意をせぃ!」
女中「はいっ。攘夷様、いざ早急に。」
女中は勝手にそそくさと消えた。
攘夷「アイツを亡くしてからもう10年ばかり経つかぁ。時の流れは早いものよ。」
昔を思い出し感傷にふける攘夷殿であった。
攘夷「へぇーくっしっ!…誰かワシのウワサしとるな?」
女中「…ウフフ…攘夷様の寝顔、意外に可愛かった。(笑)」
