朝から爆音で攘夷殿はレコードを聴いている。
「♪Two Punks~」
攘夷殿「やっぱりモッズだよなぁ。ジーンと来るなぁ。日本のロックは大事なもの忘れとる。いかんな。」
攘夷殿、湯飲みの茶をすすり、饅頭を頬張る。すると縁側からのら猫が一匹、攘夷殿の懐に寄ってきた。
攘夷「おぉよしよし。お前さんもモッズが好きかぁ。いいことだな。」
しかし、のら猫は音楽に全く気にする様子はなく、茶菓子入れに入っていた饅頭を一目散に食い始めた。
それを見た攘夷殿、顔をにんまり緩め、がっつく猫に話し始める。
攘夷「ロックより、腹が減ってちゃどうしようもねぇよなぁ。ガッハッハッ…。」
LPの片面が終わり、針が浮いた。
攘夷「じゃあ、お次は、やはり泉谷いくかぁ。」
「…ニャア。」猫は、一鳴きして縁側から庭に出てってしまった。
攘夷「ちぇっ。泉谷はダメかぁ。するとあやつ、メス猫かもしれぬ。泉谷は女には響かん音楽だからな。…まぁいい。」
「♪眠れ~ない~夜~」
女中「攘夷様~朝御飯が出来ましたぁ。早く召し上がってくださぁい。」
勝手口から若い女の声が響く。炊きたての飯のいい臭いがする。
攘夷「さぁて、朝飯喰って今日も剣術の稽古をすっかぁ。」
本日快晴。攘夷殿、まったくもってロック三昧。日々是Rock'in日和なり。
