【マグニチュード岸和田編】
 

くい  以前インタビューしてから3年ですね。あれから…どんな感じですか?

岸和田:そうやなぁ…2009年いや2011年くらいからかなぁ坂道転げ落ちだしたんわ 

くい  はい… 

岸和田:でも、金遣い荒かったからな。普通に生活してたら大丈夫やったと思うけどな。俺、相当アホほどお金は使ってきたわ。まさにプロレスラーやで。 

くい  確かに(笑)2012年くらいはどんな活動されてたんですか? 

岸和田:2012年…って俺何やってたかなぁ。あんまり…2012年の6月やったらビックリプロレス最後の傑作やな。2012年は何やったかなぁ 

くい  2012年は大阪プロレス出てましたか? 

岸和田:2009年やな、俺の中ではかまされたって言う事件があって。くいしんぼうの興行に出たのが2010年くらいやな。あれ?2012年って俺何やってたんやろうな 

くい  (笑)2012年 

岸和田:俺2012年だけ記憶に無いねん(笑) あ!!2012年はね、ちょこっとだけドラゴンゲート復帰したね。6月くらいに復帰して11月には無くなってた(笑)スポット参戦。あとフリーダムズにも出てたね。あと自主興行もやったわ。悪くなったって言うてもだんだんやからなぁ3~4年前やったら今よりはマシやったなぁ。 

くい  あぁ~なるほど。 

岸和田:2012年は、淀川で自主興行やって…ドラゴンゲート出てやな 

くい  2013年はどうでした?僕の自主興行にも出て頂いてましたね。 

岸和田:そうやなぁ、あとこの辺から道頓堀プロレスにも出てたな。20周年興行でバッファロー出たのは2013年やな。あと金村さんとアパッチでシングルやったな、若獅子会館で。 

くい  その頃から生活レベル的には… 

岸和田:生活レベルは年々落ちてるよ。今でも。 

くい  2011年のビックリ終わってからですかねぇ。 

岸和田:プロレスってジャンルはすごい奥が深くて。あれはプロレスだけどこれは違うとかって色々あって俺、プロレスって言うのが分からなくなってるね。昔、見てたプロレスと今のプロレスと違うもんな。全然別もんやな。昔なんてプロレスラーにはなれなかったからな。考えられない様な大男が、考えられない様な観衆の前でやってたもんな。大阪城ホールで夕方19時~試合だったとしたら13時くらいには大阪城公園の周りに人だかりが出来てるよ、ものすごい人だかり。それだけで、今俺らが区民センターでやってる時のお客さんの何十倍も居てるからね。 

くい  あはは(笑)

岸和田:ダフ屋からチケットを買うだけで、何十人何百人と群がってた時代やね。そこでまた試合で会場開けたら何千人ってレベル。ところが今は手売りだのなんだのってあくせく動いたところで、せいぜい200人くらいやろ。下手したら50人に満たない所でも試合するやんもう、全然違うもんね。そう言う所も。当時はプロレスラーなりたい奴も、ものすごく多くて同期で残ってるんは俺だけやな。テスト受けてる時も、空手の有段者とか柔道とかアマレスとか結構な有段者来てもなれないのがプロレスラーやってんや。今は、柔道の有段者とかなら…なぁ、今はなりたいと思えば明日でもなれるくらいやわ。20年前とは全然違うわ。 

くい  なるほど。これからのプロレス界ってどうなっていくと思いますか? 

岸和田:そうやな…人当たりの良い人間が勝ち残っていくかも分からんな。俺人付き合いが苦手でな。人と居てるのがうざったい時あるねん。お酒飲むのも、自分の好きな酒を飲みたい。営業で飲むのとは全然違うんよ。例えば、佐野直くんとか上手くやってると思うわ。今のプロレス界で一番重視されるのはチケット売る人間やね。試合の技術うんぬんなんて関係無い時代やね俺の考えはね、新日本もインディもそんな変わらないと思うんだよね。インディもグッズとか売るし、収入的にはあんまり開きないと思うけどな。まぁ分かんないけどな(笑)  

くい  時代が変わったってのが大きいですね 

岸和田:昔はね、週刊プロレスに載るってのが大きなステータスやったね。

くい  今の若い子との価値観も違ってきてるんですかね。 

岸和田:ここで勝負するって所で勝負かけきれないと、プロレスラーとして大成出来ないよね。 

くい  あぁ~でも、今の子はチャンスが少ないですね 

岸和田:チャンスもあれやけど、ある程度は自分で切り開いていかないとね。僕も、君もね。ある程度勝負かけて切り開いてきたしな 

くい  そうなんですけど、昔に比べ新団体とか出尽くしてる感があると思うんですよ 

岸和田:まだ、東京行ってれば今よりは売れる可能性があるんじゃないか?大阪よりな。 

くい  そうですね。前も言ってましたけど、年を取って変わった事ありましたか? 

岸和田:年を取るとなぁ、何が一番だめって頭がダメだね。身体のコンディション的には一番悪い時は2012年くらいやね。2013年くらいから色んなトレーニング方法、治療方法変えてね。ここ数年では今一番調子いいね。ただね、頭に対するダメージはもうダメだね。頭だけは逃れられないね。1990~2000年半ばの10~15年で頭から垂直に落とすとか雪崩式の技が主流な時代だったから脳が揺れてダメになるよね。パンチドランカーみたいなね。一番怖いのが、やっぱり脳へのダメージやな。身体のコンディション的にはすごく良いんだけどね。記憶飛ぶよな 

くい  ありますね。2015年も終わろうとしてますが、どうですか? 

岸和田:早いな、終わるの。 

くい  一応、岸和田さんとは2014年7月からでしたよね、一緒に興行やり始めたのは。 

岸和田:あぁ合同興行な。どうしようかな~って思ってる時やったわ

くい  へへへへ(笑)  

岸和田:怪しいなぁとは思っててんけどな、そこからこうやってな。今も合同興行やって。 僕はね、ここ最近の君の行動力は尊敬するよ。俺は、家からまず出ない。人と関わりたくない。 

くい  あはは(笑)僕もわかります 

岸和田:もう、億劫なんだよ。 

くい  いや、ね。焦る事は無いと思いますけどね 

岸和田:焦るよ、金銭的な面でな(笑)  

くい  はは(笑)それは(笑)  

岸和田:なんやかんや言うてもね、歳やからね 

くい  僕はね、またプロレスブームと言うかプロレスラーブームが起きたらって思ってます。この本をきっかけに人生とか生き様とか共感してくれる人が現れるかもって、わかりませんけど(笑)  

岸和田:まぁ、なぁ。 

くい  勝手に夢を描いてるだけなんですけどね。 

岸和田:正直さ、この本って… 

くい  一応、9人のインタビュー掲載予定ですね。岸和田さん、冨宅さん、タコ、スパ、三原、タダスケ 織部、菅沼さん、ツバサさんですね。 

岸和田:それ売れるかー?見たいと思えへんけど(笑)君が後輩を可愛がってるのは分かるよ、確かにな。でも、読みたいと思うか?でもな~俺だったら他の団体とか声かけるけどね。俺もお前も良い時代を経験してるし、人脈もあるし、話通せばそれなりのインタビューも出来るかもしれへんやん。インディから売れた選手とかさ。そう言うインタビューの方が良いんじゃないの?俺だったらね、そうするよ。 

くい  (笑)いや、でもね、そりゃ売れる本を出そうと思えばそうかもしれないんですけど、あんまり交流が無いじゃないですか。他団体だと。交流のあるメンバーでやってみたいと。 

岸和田:ほ~ 

くい  まぁ、それは僕の自己満足なんですけどね。それで、ドキュメンタリー映画をね 

岸和田:(笑)君はそういう発想がすごいよね、面白いわ。 

くい  岸和田さんや冨宅さんの日常を撮らさせてもらって…それでエンディングはせっかくなんでインダビューの9人、僕入れて10人で興行したいんですよ。 

岸和田:ほぉ~。 

くい  今回は、そうですね。前回ほど夢のある話が無かったですけど名言が生まれましたね(笑)

岸和田:前回はそうやな、プロレスラーなってからの話やったからな。

くい  そうですね、今回はどちらかと言うとあの人は今…じゃないですけど今現在の心境的な事を聞きたいですね 

岸和田:おぉん、試合は年々減ってるけどなぁ 

くい  まぁ、トレーニングも毎日してるじゃないですか、それは変わってないんですね? 

岸和田:そうやな、トレーニングは好きか嫌いかやからね。俺は昔から練習熱心なタイプやったからな。ただどうしても辛い時は休んでたけどほぼ毎日やってるな。だいたい、今の生活だと…飲み会とかあれば別な。週1~2回飲み会あったとして。20時~1時まで遅くても12時くらいには寝てる。で、朝はだいたい目覚めとともにトレーニング。夏は起きるの早いから5時とか5時半。6時過ぎ~にはジム行ってるね。今は寒いからどうしても起きるのが6時とか7時やね。そこからジムや。トレーニングは1時間弱くらかな、週に3~4日くらい日焼けもやってる、ジムでね。日焼けする日はジムには2~3時間くらい居てるね。その後、家に帰ってきて家の事色々やって…まずお風呂に入る。ジムでも、入る時あるけどね。そこからほぼ毎日治療行くね。週に4~5日くらい。今やってる治療で…どのくらいやろ、おそらく2010年くらいから3~400万は使ってるね。去年やった治療法で緩衝法って言うのが1回の治療で10800円。それ78回行ってる。それで腰が良くなるんやったらって思って100万は投資しよ思って、78回行ったんやけど、俺は30回で止めたかったけど先生に来る回数が足りないから治らないと言われて…(笑)  

くい  それ騙されるやつじゃないですか!(笑)  

岸和田:80回で絶対治るって、1回10800円なんやけどな 

くい  良くなったんですか? 

岸和田:全然。 

くい  あははっは(笑)  

岸和田:去年の半年で78回 

くい  へぇ~半年で。 

岸和田:打ち合わせの前後に緩衝法の治療とか入れてたね。週に5回くらいね 

くい  じゃぁ、岸和田さんの1日って言うのはトレーニングと治療と… 

岸和田:あとは、営業とかもやってないわけじゃないよ。多少の遊びもして。たまにパチンコも行くしな。色んなお酒も飲むよ。先週は地元の同級生と飲んでたよ 

くい  同級生の方は岸和田さんの職業の事はご存知なんですか? 

岸和田:もちろん、もちろん。何回か試合も見に来た事あるし。その同級生のうちの一人のニックネームが産まれた時から確変っていうあだ名の奴がおって。生まれた時から確変かかりまくってるって言うな(笑)そう言う同級生がおって。人生においてじゃんじゃんかかってるって言う(笑)  

くい  めっちゃ良いじゃないですか!(笑)  

岸和田:そいつが連れてきた奴がめっちゃ酒癖悪くて、俺に絡んできてひっさびさにキレそうなって(笑)もうちょっとで殴りそうなってた(笑)  

くい  あははは(笑)  

岸和田:まわりの同級生が止めてくれてた(笑)  

くい  (笑)トレーニングもし、治療もし、飲みにも行き結構充実してますね。 

岸和田:充実って言うか、でもねお金が無いんでね、お金が。俺何で生活してんのかわからんね。とにかく言えるのは、貯金はどんどんどんどん減っていく(笑)ここ数年は。 

くい  とりあえず2014年2015年ともうすぐ終わるんですが、来年2016年はどうですか? 

岸和田:来年ね、どうなんやろな 

くい  来年で45歳ですか? 

岸和田:あぁ、そうやな。俺来年はなんか考えたいと思ってんねん。 

くい  金村さんが引退ですもんね 

岸和田:そうやなぁ 

くい  今日は、なんか前向きな話もないですかね?(笑)  

岸和田:2016年なぁ、前向きな話な。これはいつも俺が口癖のように言ってんねんけど、大阪において試合のクオリティに関して俺の右に出る奴は居ないと思うわ。一選手として任された仕事に俺は100%応える自信はあるよ。任された仕事はね。俺は選手としていくらって事に気付いたね。でも、今はそう言う時代でも無いっしょ。選手で評価されるんやったら、俺は評価高いと思うよ。まぁ、そう言う時代じゃないってのもあるけど。俺の場合は、主催者食っちゃうからね。ただ、任された仕事は100、120%の期待に応えるよ。結局は、選手として残ろうと思ったら団体に属さないといけないと思う。まぁ俺は、これからのプロレス人生で、新団体できて、是非来てくれとかない限り今の現状どこかの団体に頭下げて入るって事は無いね。20年以上やってる選手は誰もそうちゃうかな。 

くい  あぁ、そうですねとりあえず来年は…? 

岸和田:来年の事は何も考えてないね。行き当たりばったり。来た依頼に100%応える。でも、あんまり応え過ぎちゃだめだねって最近気付いた。 

くい  今後のビジョンはありますか? 

岸和田:今後のビジョンね…今本当何も見えてない。来年どうしよう。試合減ったしな。 

くい  良い時期来るのを待つしかないんですかね 

岸和田:あぁ、それも…まぁどうやろ。45歳になるとねぇ、考えるよ。今はもうね、長いく生きたいって思う。30半ばくらいまでは、好きなプロレスして早く死にたいって思ってたけど今は長く生きたい 

くい  なんで長く生きたいって思うようになったんですか? 

岸和田:なんでかな。45歳になって60歳で死んだとしてあと15年やん。そんなん、寂しいと思えへん?だから、長生きしたいなぁって。プロレスやるとな、人生短い人居てるやん。 

くい  長生きしてなんかやる事ありますかね? 

岸和田:いや、でもまだ。プロレスラーで世間の人が経験できないことを多少経験できてるやん。そんなん言ってもたかがこんなもんやけど。来年の目標としては何か始めないとって思ってる。それが何かは分からないけど、何かを始めたいって思ってる。昔のレスラーの言ってる事って全部当たってる。今思い出して、あの時言ってた事が「あぁ分かる」ってなる。 

くい  ほぉ 

岸和田:たとえば、昔のレスラーの名言でカールゴッチ大先生の「レスラーはコンディションだ」俺は、この通りやと思うわ。若い頃は何の事か分からなかったけど30歳後半になった時身体が自由に動かなくなってきた。使えてた技が使えなくなってきた。君もそう、出来なくなった技あると思う今までの20~30代前半は、とにかく身体を大きくしてより強くなりたいという気持ちからウェイトトレーニングに熱中してたけど身体を動かすって言う事に対してウェイトトレーニングはマイナスやね。筋肉を硬くするから。ある程度のカタチができたらあとはコンディショニングトレーニングの方が…まぁ、例えば大阪で言ったらゼウスとかボディガーみたいなのを目指すんやったら、ウェイト中心でも良いと思うけど。結局いきつく所は「レスラーはコンディションだ」やから。俺は、トレーニング方法は昔に戻ってヒンズースクワットとブリッジ。俺の年齢で俺ほどのブリッジできる人は居ないと思うわ。よく俺がポーゴさんとかに言われたのは、お前バンプ取り過ぎだよ、そのうち年取った時にえらい事なるぞって言われてたんだよ。それが、当時分かんなかったんだよ。受けには自信あったんだよ。俺が受ければどの試合でも沸くんだと。他の奴らが受けて沸かないやつで、俺が受けたら沸くんやと思って、受身取ってきたけど最近になってポーゴさんが言ってたの理解して、お前バンプ取り過ぎだよ、そのうち年取ったときにえらい事なるぞって意味が身体を通して良く分かるんだよ。 

くい  あぁ、ダメージが 

岸和田:プロレスラーのダメージってのは一番は受身やね。本当、一番の身体のダメージ。本当に、若手時代は特にめちゃくちゃバンプ取ってきたと思う。結局、この10何年間くいしんぼう仮面でお笑いやってる時は、おそらく受身は少なかったはずや。たまにハードやけど、まだ、俺よりちょっとはマシやと思うわ。昔のレスラーの名言は当たってるよ。俺のプロレスの基礎を作ってくれたミスターヒトさん。この人にすごい影響受けたんやけど。言葉一つ一つがすごい。10何年前から「プロレスはダメだ」と。仕事しながらプロレスやりなさいってよく言ってた。昔の人が行ってた事が、今になって「あぁそう言う事か」って分かるわ、本当に。言う事当たってるわ。 

くい  プロレスだけで…って言うのが今はなかなか。プロレスだけじゃないって言うのが今の流行と言うかスタンダードって言うか。 

岸和田:今のプロレスは、昔に比べ技術が発達してると思われてるやん?俺は逆やと思うわ。技術は無くなって来てる。今は、ただ大技とか派手な技があるだけでレスリング自体のレベルで言うたら、めちゃくちゃ低くなってるもんね。もう、トレーニングが違いすぎるよ。俺は今のプロレスは見ないけど。昔のプロレスはよく見るんだよ、動画サイトとかでね。猪木さんとか長州さんとかタイガーマスクとか、今とレベルが違いすぎるんだよ。危険な技ってなると今のほうがすごいけど、技術面で言うと断然昔。トレーニング風景見てても、今とレベルが違う。新日本道場のトレーニング風景も動画で見たけど佐山(初代タイガーマスク)さんは、腕立ての時3回手を叩くねん。これを何回もやる腕立てで、3回やで?2回ならまだしも…3回!あと、キック力計るやつで機械壊したりとか。スクワットも常人じゃない速さやで。普通のスピードスクワットじゃないって。練習風景も、レスリングの技術全然違う。今の方がレスリングの技術上がってるって言うけど、今でレスリング出来る人は居ない。たぶん、伝える人が居ないんだよ。ただ、どう言う技が出来るか、どれだけの大技を持ってるかって言うだけやね。レスリングの技術持ってる奴なんて居ないよね 

くい  まぁ、それを原点回帰した所でプロレスは元気になる事はないですけど(笑)  

岸和田:そうやねん。昔は考えられない様な超人離れした様な…格闘家が強いとか、プロレスラーが強いとかそう言うの関係無しに見ただけで他を圧勝する様な。もう、技術とか無くてもこんな人には勝てるはず無いって言うのがプロレスラー。アンドレザジャイアントとか、あの人は技術うんぬんじゃなくて、考えられないでしょっていう。スタンハンセンとかもうそう。雰囲気とか威圧感とかね。今、プロレスの控え室にしても普通の兄ちゃんやからね。街歩いてる様な。そう言う時代になってきたんやと。 まぁ、しゃーないわ。今はプロレスを利用して何かしようっていうね。まぁ、よく言うところの佐野直くんとか。プロレスラーという看板でね。いろんな活動をするのに、プロレスラーを活用してるよねっていう人も居るよね 

くい  僕もプロレスラーってことで色んな事をしていきたいとは思ってるんですよ。まぁ、そういう人が居ても良いんじゃないかって。色んな人が居るから、上手い事協力し合って…まぁきれい事なんですけどそう言う人はそう言う人で… 

岸和田:まぁ、今本当難しい時代になってきたね。すごい痛感するよ。 

くい  プロレス界ですか? 

岸和田:技術的なもんで言うたら、もう俺はハッキリ言うて誰にも負けることは無い思ってる。でも、おそらくさっきも言うたけどこの世界上手く立ち回れる人の方が生き残れるし、やっていけると思う。今の時代はね。昔は、俺みたいな職人タイプが評価されてたけどな、今は違うんだよな。例えば、今おそらくチケット30枚売るから出してくれって言うて出してくれない団体は無いと思うわ。

くい  ははは(笑)  

岸和田:おそらくな。 

くい  まぁ、こんな感じなんですが、最後に何か… 

岸和田:そうやなぁ、来年は…て言うかもうなるようになるしかないんだよ。仕事が入ってきたら受けるし、本当に身体潰れて出来なくなったら他の事やらなきゃいけないし それも、なるようにしかならないし。今までは、ダメダメと思っても、なるようにしかならなかったし。今もう試合も減ってきてるし。どこの団体もきついしな。俺らがやってる興行も最初に比べ段々落ちてきてるし。イベントってあんまりやるのもねぇイベントをしてるからこそ離れていく客ってのも居てるし。たとえば、イベントやりました。で、2時間も3時間もマスクなんか被ってられない。当然脱ぐし、マスク被ってリングの上に居るマグニチュード岸和田とマスク脱いだ時は全然違うし。それをやっぱ見せてしまうから…離れていくし。チケット売ってグッズ買ってハイ、終わりじゃなくて。いつのまにか飯食ってたりとかで普通の世間話する様になっていつのまにか…居なくなるって言うね。まぁ難しいよね。 

くい  あぁ、なるほどねぇ…難しいですね…