上京して数日後

当時PWCが毎週末試合していた 横浜市鶴見区にある屋台村ヨンドンに初めて足を踏み入れた。

そこには代表である
高野拳磁の姿は無く

現在
ザグレート タケルこと
増田明彦 現サバイバル飛田などがいた

挨拶もそこそこ

ワシは試合前の合同練習があるのかと思い
着替えてリング下で待っていた

もちろん合同練習みたいな立派な事はやっておらず

各々ストレッチや簡単な基礎体やリングを使って
受け身やプロレスの基本練習をやっていた

そこで一緒に来ていた大森さんの提案で
〇〇君 高校時代レスリングやった事あるんだったら増田君とスパーリングやってみたら
と言われて
生まれて初めてリングに上がる事に

増田君はワシと同い年で
すでにデビューしていた
学生時代は少林寺拳法をやっていたみたいやったが

グラウンドのスパーリングでは正直負ける気はせんかった
案の定タックルで何回もテイクダウンした
しかしそこは向こうもプロのプライドで極めさせてくれなかったが

こんな事言ったら
ワシ めっちゃ強いみたいやけど
まったくそんな事はなく
後に修斗の選手とスパーリングしたら子供扱いされたわ

増田君とのスパーリングを終えた位に
代表の高野拳磁が会場入り
入門テストで既に面識はあったが
2メートルの巨体から放たれる独特のオーラはワシに恐怖を与えるには充分な説得力を持っていた

そして大森さんが
今日の増田君とのスパーリングの話を代表に聞かしたところ
代表の高野拳磁は
「じゃあ今日 このチビ試合に出しちゃえよ」とビックリするような一言を

上京して数日

何かとんでもない事態になって来たが
若干18歳のワシにはどうする事できず
ただただ時の流れに身をまかせるしかなかった

つづく…