夜の繁華街、歩道を歩いていると、いきなり誰かがぶつかってきた。やわらかで華奢な衝撃は女性だった。
ぶつかってきたのは女の子2人連れの一人。2人とも二十歳満たないか、そこそこだろう。化粧は気合いが入っていたものの、まだ幼さの残る顔立ちだった。
「ごめんなさ~~い!!」
「いやいや、大丈夫。そちらこそ大丈夫?」
「はい、大丈夫です。ほんと、ごめんなさい。私たちお話に夢中になっちゃって・・・。」
じゃあ、気をつけて、と立ち去ろうとすると。
「あの、これから予定とかありますか?」
「ん、もう帰るところだよ。」
「あの、よかったら私たちと飲みに行きませんか?」
「え、ええ~!?どうして?」
「あの、えっと、あの・・・・、タイプなんです!!」
「えええええっ!!うーん、でも、もっと若い、君たちと同年代の男の子のほうがいいんじゃないのかなー。」
「そんな・・・。あの、だめですか・・・? すてきなお店知ってるんだけどなー。」
「ごめんね、じゃ、こうしよう。そのお店の近くまで僕がエスコートするってのはどう?」
「キャー!!うれしーー!!」
そういうと彼女は腕を組んできた。まあ、まんざらでもない。ははは。
夜のとばりに包まれた部屋はしんと静まり返っている。カーテンを開けると遠くに賑やかな街の明かりが見える。彼女達は今頃また誰かにぶつかっているのだろうか。
ビルの前まで送って別れ際、彼女達の”捨てゼリフ”はこうだ。
「ほんと、思わせぶりなんだからっ!! もー!!」


