春の太陽の光が、冬枯れした落葉樹の木々のすきまから北側斜面を照らしていた。
もう雪解は始まっているのだろう、雪の結晶は氷の結晶と姿を変えて一面に散らばっている。太陽の光線の角度と山の斜面のそれが同じになろうとしているとき、ゆるやかな雪面の淡い陰の中、キラキラとそしてまたキラキラと氷の結晶があちらこちらに光っている。数えきれないほどのキラキラは、うつろな眼を見開かせ、私に思わず感嘆の声を上げさせるところだった。
『す、すごい!!』
心の中では、間違いなくそう叫んでいた。淡い陰のなかのキラキラは、私の移動とともに一瞬にピカリとその表情を変えて、まるであたり一面ダイヤをちりばめたかのようだった。
『まばゆいばかりのダイヤの光とはこれを言うのではないのか。』
私の心の声は続けてこう叫んだ。
『なにがダイヤの指輪だ。これを見てから言え!!』
すると、反論が返って来た。
『じゃあ、ここのこれを指輪にして!!』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、あのねぇ~・・・。

