
バームクーヘンの心あたたまるお話。
写真の四分の一の大きさのバームクーヘン、大人だったら二口か三口でなくなってしまいますよね。私だったら二口位でしょうか。
仕事の出先でお茶菓子として出された一つ(ひとかけら)のバームクーヘン、お茶だけいただいて、お菓子は鞄にしのばせて持ち帰ったお父さんがいます。妻と子供二人の4人家族です。家ではおなかを空かせた子供たちがお父さんの帰りを待っています。
お父さんはいつになく上機嫌です。鞄にはひとかけらのバームクーヘンが入っています。
今日の夕ご飯、いつもと同じです。でも、子供たち一言も文句をいいません。すぐに終わってしまう食事ですが、いつもこうして家族そろっていただく夕ご飯をとても大切にしているのです。
食べる時間よりも、お話の時間の方がずっとずっと多いのです。それでもたいていは7分30秒位で終わってしまいます。
楽しい食事が終わって、みんなで水を飲んでしのいでいると、お父さんは大切そうに鞄を開きました。そうです、あのひとかけらのバームクーヘンを取り出したのです。みんな大喜びです。四つにカットするとサイコロのようでした。お皿四枚とつまようじ四本。一口にも満たないバームクーヘンですが、それはそれは大切に、そしておいしくいただくのでした。
「おいしねー、おとうさん!!」
「よかったね、みんな。」
「おとうさん、ありがとー!!」
おとうさんも嬉しく、そして、少しだけ誇らしげでした。
とてもおいしくバームクーヘンをいただいた後、お父さんは流しでつまようじを一本々々洗いながら思うのでした。
「一枚、一枚、はがして食べたらもっとおいしいかったかもしれないな・・・。」
と。
次回予告!! ・・・・・・・ 『 梅シバ物語 』