明治維新以後の日本は、40年トレンドで世の中が変化している。
 明治維新は1868年である。それから40年毎に、1908年、
 1948年、1988年とトレンドの転換点(山と谷)を迎えている。

 1868年以後、日本は富国強兵路線をとり、
 “坂の上の雲”を目指して、“追いつけ、追い越せ”のスローガンのもと、
 急激な上り坂を駆け上がって行く。
 そして1904~05年の日露戦争で、日本の一つの成功体験が確定する。

 1908年をピークにして、
 それ以後40年間、日本は下り坂を転げ落ちて行く。
 19年には米騒動がおこり、21年には日英同盟廃棄、
 30年は、世界大恐慌の真っ只中で、ロンドン海軍軍縮会議が開催され、
 その後日本は、五・一五事件、国際連盟脱退、二・二六事件、日華事変、
 日独伊三国協定、そして太平洋戦争へと突進し、45年に敗戦を迎える。
 これ以上のドン底はない。

 敗戦後の48年から88年までの40年間は、
 再び“追いつけ、追い越せ”と、日本的経営の論理で、経済大国路線を
 ひた走る。また上げ潮である。
 88年の為替レートは、1ドル=121円で、戦後最高。
 流行語は“くう・ねる・あそぶ”である。
 ここで日本は再び成功体験を確定させた。

 しかし、89年(平成元年)の4月に消費税がスタートし、
 7月には宇野宗佑首相のとき、参議院議員選挙で与野党逆転。
 90年の流行語は「バブル崩壊」であり、「ボーダーレス」である。
 バブルが崩壊して、価格の破壊が始まり、その後、オウム事件を代表に、
 経済だけではなく全ての社会情勢が一気に引き潮に巻き込まれてしまった。

 1988年の40年後は2028年である。
 40年トレンド説に従えば、2028年まで、日本は奈落の底へ
 転がり続けるのであろうか?

 これから読者の皆さんと一緒にこの40年トレンド説を検討してみたい。