いよいよ新会社法スタートが近づいてきました。

 私も司法書士という仕事をしておりますので、
 これまで必死に研究してきました。

 最近よく「いつから新会社法はじまるんだっけ?」
 というご質問をうけますが、3月29日に会社法施行の日を決める政令が
 公布され、やっと正式に5月1日に決まりました。


 さて、この新会社法で一番大きなトピックはやはり
 「有限会社制度の廃止」だと思います。

 起業についての規制の緩和・撤廃も大きなトピックですが、
 現在、有限会社は全国に100万社とも150万社とも言われておりますので、
 こちらに注目されている方も大変多いでしょう。

 簡単にいうと、「有限会社制度の廃止」とは、
 現存している株式会社の大多数と有限会社の差がほとんど無いので、
 一緒の制度にしましょう、ということです。

 そして株式会社制度を残し、有限会社を廃止にした、ということですね。
 よって新会社法がスタートした後は、
 有限会社をつくることはできなくなります。

 (私はオススメしませんが)万が一、有限会社をつくりたい
 という人はお急ぎください。

 新会社法がスタートする日の前日までに有限会社設立の登記申請しなければ、
 未来永劫、有限会社はつくれませんから。


 さて、「有限会社制度の廃止」により現存の有限会社はどうなるか?
 ということは、有限会社の経営者の方なら知ってみえると思います。

 私が独自にとったアンケートでも8割以上の有限会社経営者の方が
 「知っている」とお答えでした。

 とりあえず、何の手続をしなくても経営はできる。
 自分の有限会社がその日から強制解散されるわけではない、と。


 法律的にはそのとおりです。

 また、有限会社のままであれば、
 「取締役の任期がない」「決算公告の義務がない」等の「メリット」
 が受けられるのでこのまま行こう、とお考えの方もみえるでしょう。

 一番多いと予想されるのは「様子見」。

 しばらくどうなるか分からないから
 他のところがどうするかを見てみよう、ということですね。

 その一方で、これを機に株式会社に移行するんだ、
 という積極的な経営者も見えるでしょう。


 いずれにしても有限会社の経営者は何らかの選択を迫られているわけですが、
 ここで一番してはいけないことは何でしょうか?

 それは「思考停止」です。

 「あの有限会社がこの選択をしたから、ウチも」ということではなく、
 新会社法ができて(有限会社制度が廃止になって)
 ・社会はどうなるだろう
 ・何もしない場合は取引先や銀行はどう評価するだろう
 ・会社をこの先どうしよう
 ・5年後、10年後に対してどんなビジョンを描こう
 ・目指す「ゴール」追求する理念はなんだろうか?
  etc。

 そのうえで、「だから、ウチの会社はこの選択肢にするんだ」。

 これが正しい選択だと考えます。


 新会社法という法律は確かに大改正です。

 しかし、会社に関わる法律である以上、その対策・対応を考える上で、
 「経営の視点」が必要になるのです。

 冷静に考えれば当たり前のことですが、
 忘れてみえるケースもありますので、それを念頭においたうえで、
 ぜひとも「正しい選択」をしていただきたい、と思っております。