名物おばちゃん
ボクは笑いを取るのが好きだ。
真剣な場になればなるほど、笑いを取ってやろうと思ってしまう。
いつもバスに乗る名物おばちゃんがいる。
大きな体格で、ゴージャスな服を着て、とても厚化粧だ。
でもいつも運転士に声をかけてくれてとても良い人だ。
しかし、難点はよく喋る、喋り続けることだ。
駅に着くまでの間、約30分喋り続ける。
初対面の人にも平気で話しかけ、永遠と喋り続ける。
掴みはたいてい、自分がデブであることを利用する自虐ネタだ。
『あ~、すいませんね、あたし太ってるからさー、ここ座っていい?』
座席はいつも二人分使用する。混雑していても、デブをアピールして他を寄せ付けない。
何も知らずに隣に座ってしまったら大変だ。
永遠に相手をさせられる。
でも、このおばちゃん、なかなかやる。
『あたしもう67ですよぉ、体重は70ですけど』
真剣に運転している身としては、くだらないと思っても、
身構えてない分ついプッときてしまう。
『まだまだ暑くて困っちゃいますねぇ、あたし太ってるからすぐ汗かいて困っちゃうのよ、太ったのは自分のせいなんだけどね』
思わず下を向いて笑いをこらえた。
ボクは自虐ネタで笑いを取る人は大きな人間だと思う。
それを卑怯だという人もいるけど、
ボクはありだと思う。
おばちゃんが笑いを取ろうと思ってるのかは知らないけど、
その見た目以上に大きな人間なのは確かだ。
大きな人間にならないと笑いを取れないのも確かかもしれない。