うむむ、堕落してきている。。。

申し訳ない、何とかペースを取り戻したいぜ。


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バックアップコンテナの外は調度よい気候だった。

空は「さあ、歩け」といわんばかりに、青いペンキで塗られた天井のように平然と広がっている。

静かだが、しかし何かを訴えかけるような色の空だ。

天井を歩けるようになったとしたら、果たして今日の空を歩く事も出来るんだろうか。

しばらく空に見とれていると、足元が暖かくなっていくのを感じた。

つま先の破れかけたちょっと小さめのスニーカーの生地がギュッと俺の足に張り付き、その上から確かに太陽光線の暖かさを感じた。それは妙に心の落ち着く暖かさだった。

この位の気候が続けば、割かし世界は平和なのかもしれない。

しかし、この光線と、全くきれいに見えるこの空に浮かぶ大気は、今地球に異常をきたしている。

きっと昼には、暑さでイラつく人が世界中で傲慢の狼煙をあげることだろう。

さて、暑くならないうちにマーケットに向かわなければ。。。


バックアップコンテナは高床式である。

そもそも素材や作りが簡潔であるため、少しでも気温の上昇や、コンテナ内の物の劣化を防ぐために各コンテナ1メートルほど地面から離れている。コンテナの上に置かれたコンテナもまた、下のコンテナから1メートルほど離れているのだ。

これは俺達のように、コンテナを住居として扱う人が多いために、騒音緩和のためとしても効果を発揮している。

俺のコンテナは一番したの階層だ。両サイドにもぎっしりとコンテナが並び、上は3階層まである。コンテナ出口左に簡潔なハシゴが用意されているが、こちらは錆びきっている。つまり、誰も使っていないという事だ。

ここのバックアップ地区には合計で10の業務用エレベーターがあり、普通はこれを使って上り下りをする。

コンテナはざっと1600個くらいだろうか?さながら神様に献上するための小包でも綺麗に積み上げたかのように、几帳面に並べられている。

他のバックアップ地区に比べれば、この巣鴨第3バックアップ地区は少ない方である。渋谷なんかでは20階層が当たり前のようだ。

嫌だな、それでは太陽が拝めなそうだ。


ここ、巣鴨第3では、約1600うちの3分の1がコンテナ居住しているという事だが・・・

とてもそんなに人がいるとは思えない。なぜなら昼間はみんな空気汚染や紫外線の為に出歩かないし、夜は治安が悪いので出歩かない。

つまり、コンテナ居住者は普通出歩かないのだ。

よっぽどの事が無い限り。

ん?まてよ。さっき渋谷地区では太陽がどうのこうのといったが、どうせみんな出歩かないのだから関係ないじゃないか。きっと俺らくらいだろう、そんなやわな事を気にするのは。


さてさて、俺はよっぽど腹が減っている。なんたって育ち盛りなのだ。コンテナ内でまだ寝息を立てている太一と健太郎は、きっとあと2時間もすれば暑くて飛び起きるだろう。さて、それまでにしっかり元気を付けておかないと、二人の元気に追いつけない。

そういう事で俺はマーケットへの第一歩を踏み出した・・・ところへケンケンが目に付いた。

はたして、今日は行ったいどうしたのだろう。