昨日のCookyの書いたやつ、俺しょっちゅうやってますw
腹立つよね、一人で↓
「あぶひ!!!」って言っちゃうよね。
んじゃ今日は勝手に誰かの一日を妄想します。
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琴美が布団を剥いで出かけて行ったらしく、寒さで目が覚めた。
琴美が起きるのは俺の1時間前だから、おそらく一時間は布団をかけずにイビキをかいていたんだろう。それも手伝ってか、今朝はやけに寒く感じた。
こんな朝は熱いシャワーを浴びるに限るが、8時半を指す時計にそれをさえぎられてしまった。
何ヶ月か前までサラダと食パンが並んでいたテーブルには、今朝も汚れた皿がのっている。倦怠期というには平和だが、最近の俺達は何か発展途上を終えた国のように腑抜けている。
空腹をTheHIVESでごまかしつつ、電車に揺られた。通勤電車のけったいな空気を空っぽの胃に垂れ流すのはきつい。だから毎日こうしてヘッドホンを耳にあて、なるべく周りの空気を感じないようにしている。
そのまま外さなければ何事もなく一日を終えただろうが、その日に限って事故が起きた。
急停車する車両に合わせて、倒れる場もないほど込み合った車内で大人たちが傾く。満員電車では慣性の法則がその大きな力を誇示することが多い。俺が中学生だったら、その法則の明らかなのに歓喜して、同朋と大いに盛り上がったことだろう。
そんな事を想像しつつも、それよりももっと奥の方の脳みそでは、既に午前のミーティングに間に合うかどうかを計算していた。
「1時間ほどなら平気か。」
知らずに口にだしていた。一人暮らしを経験した内気な男に多いこの傾向に、内心がっくしとした事を、ここに認める。
とりあえず安心し、ヘッドホンをとって車内アナウンスに耳をかした。
「ただ今、本線上にて人身事故が発生いたしましたため、急停車いたしました。情報が入り次第、お伝えいたしますので、しばらくお待ちください。ご迷惑をおかけしております。」
アナウンスは三度流れた。その二度目と三度目には、後ろの方で無線がなっているのが聞こえ、車掌の喋りが何度かつまずいた。つまずいてはいたものの、上出来の車掌である事は明白だった。彼は無線の情報を聞きつつ、マニュアル通りのアナウンスをしゃべっているに違いない。
「やだ、どれくらい遅れるんだろ。」
「ね。こんな車内で何時間も待ったらキツイね。」
気づくと俺の前の女性二人がしゃべっている。身なりからして大学生くらいか。
そもそも俺は、俺の近くに女性が二人もいることさえ気づいていなかった。学生時分だったら少しは興奮もしたんだろうが、最近の俺は去勢された馬のごとく穏やかだ。冷ややかと言い換えてもいい。この年になると、もう若い女の子が振り向いてくれないのは分かっているし、琴美に慣れすぎた今、他の女性は億劫で興味がうせてしまった。その年とは干支が三遍周った位に考えてくれればいい。とにかくもう新しくはないのだ。
異に、その後の出来事がなければ、今、後悔をせずに済んでいたかもしれない。
5分ほど経って、紙の長い、色白な方の女性の携帯がなった。
「もしもし?・・・どうかしたの?・・・・・・本当?」
女性は相手の話に応対しつつ、怪訝な顔つきでもう一人のショートカットの女性と目を合わせた。ショートカットの方は視線を受けても以前、疲れたという顔をしている。
「平気なの?・・・・・・落ち着いてよ。」
わずかに電話の向こうから男の声が聞こえたが、会話までは聞き取れない。何か早口でまくし立てている事は確かだが、それ以外は要領を得なかった。周りでは、他の乗客もしきりに携帯で誰かに連絡を取っている。大方遅延の連絡をいれているのだろう。幸い、どうやらこの車両にはピースメーカーをつけた人はいないようだ。
「・・・・・・・・・え?」
周りを伺っていた俺の耳に、その一語が妙にはっきりと聞こえた。別に声が大きかったわけではない。何か、ずっしりとした重みを持ったような一語だった。その一語に気を引かれ向き直ると、電話をしていた女性が硬直していた。
その後彼女は取り乱した。
うそ、うそ、といいながらショートカットに寄りかかり、涙を流した。その手は、ショートカットのガウンの襟をギュッと握っていた。その光景は今でも俺の脳裏にはっきりと鮮明に焼きついている。
「ちょっと、ミキ?どうしたの?」
さっきまで疲れた顔をしていたショートカットはいつの間にかはっきりと正気を取り戻し、友人の肩を支えていた。
周りがざわつき、中年の男性が声をかける。
「どうしました?」
「わかりません・・・急に・・・ミキ?」
正気を取り戻したショートカットをよく見てみると、どこか琴美に似ている気がした。凛としていて、同時に幼い弱さを持っているようだった。中年男性は周りの人に声をかけると、スペースを作り、崩れ落ちるミキをそのまま座らせた。隣に立っていた俺は、調度入り口付近の座席のポールに寄りかかっていたので、何の動きもとらずに、ただそれを眺めていた。
しばらくミキは押し黙っていた。中年の男は、大丈夫だろうか、としきりにショートカットと心配をしていた。
俺はただそれを眺め、中年男と同じ疑問を抱きつつ、その奥でミーティングで発表する予定の月初報告を反芻していた。
結局、30分後に電車は動いた。
衝撃的といえば衝撃的なこの経験が後を引いたせいかどうかは分からないが、この日は仕事がはかどらなかった。それどころか、琴美の事ばかりを考えてしまっていた。このままでいいのか、という事を。
干支が四週目を回りきる前に、結婚をするか、分かれるかをしなければならないだろうという不安が、ぐっと午後の俺の胸を締め付けて、ずっと悩ませていた。
「分かれよう。」
また独り言を言っていた。しかし今度は、口に出そうとした気もする。よく分からなかった。分かっていたのは、電車での出来事を思い出して、なぜかこの結論に達したという事。今思えば、あんなに悲しそうな女性を見たのは初めてだったかもしれない。今後、琴美をあんな目に合わせるかも知れないし、合わせないという自信はない。
それで怖くなったのだろか、別れという答えにたどり着いたのだった。
部屋に帰ると、既に琴美は帰ってきていた。
テーブルには今朝のままの食器と、新たにコンビニ弁当の空箱が並んでいた。俺はそこに、もう一つ加える予定のコンビニ弁当を置いて座った。琴美は背中を向けたままテレビを見ている。いつもなら「お帰り」くらいは言ってくれるはずだが、どうやらそれも潮時らしい。
俺は座って上着を脱いだ後、じっとしている琴美の背中に、難なく吐き出した。
「分かれよう。」
あまりに簡単すぎて、ただいま、と言ったんじゃないかと、一瞬自分を疑った。しかし、疑っているうちにひょいと答えが返ってきた。
「うん。」
あまりにも簡単なので、おかえり、といわれたような気がした。でも、それは確実に別れを承諾した言葉だった。
何かが始まった気もするし、終わった気もする。はじけた気もするし、固まった気もする。このときの俺の気分は、寂しさと安堵の間の子みたいだった。
中学校時分の俺だったら、センチメンタルな気分を同朋と大いに笑ったかも知れないが、すでに年を取りすぎていた。楽しくなんかはなかった。
今朝の出来事がなければ、こんな具合にはなっていなかったかもしれない。だが、こんな具合がいい方に転がるか、悪い方に転がるかは誰にも分からないのだから、これでいいのだろうと自分に言い聞かせていた。
弁当を食べずにうつむく俺に、にっこりと琴美が振り向いた。琴美はいつも俺に気を使ってくれる。それを改めて目の当たりにすると、今度は安堵が広がっていくのがわかった。後悔の念がよぎった。また失敗かな、という気持ちが沸いて出たが、琴美の顔を見ていたら、それでもいいような気がしてきた。
これでいいに違いない。
琴美の向こうには、母の死を泣きながら受け止める今朝の女性が、テレビ画面いっぱいに映っていた。
俺はその出来事について、未だに誰にも話してはいない。
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いっきに書いたら何これw
出来損ないの短編小説みたいだが、たまにはいいか!