これまで兄について思い出したことを書き記してきたけれど
小さい頃から私にとっての兄という存在はやぱり他にはたとえようのないものだったと思う。
振り返ると 嫌だな、と思った事の方がたくさんあった。
今は思い返すことばかりだ。
そうそう、生前の兄に最後に会った人がわかった。
最後に乗っていた車の販売員だった。 身体の不調を訴えていて出歩けなくなった兄だった為、
車の点検の予約が延び延びになっていた車をわざわざ取りに来てくれていたのだった。
その時の様子を聞いてみた。
確かに脚の色が悪くなっていてとても出歩けるような感じでは無かった・・・と、
点検が終わり車を届けに団地に行った際は夜になっていたのに部屋の灯りがついておらず
留守かと思ったけれど 一応、「○〇さん」と声かけしてみたが返事がなくて
何処かへ出かけているのかも?っと思い ドアのポストに車の鍵を返却して帰ってしまったそうだ。
実際の確かな日時はわからないけれど それから間をおかずに兄は他界してしまったんだと思う。
車の売却の際に販売店に連絡してわかった事だった。
話をしたら 彼はとてもびっくりしていた。
「とても車が大好きなかただったです、本当に・・・ 」 と言ってくれた。
車好きの兄が車関係の人と最後に会い話ができたのが天命だったのではないか。
私はそんなに悪い病状だったと知らずに 最後 兄には優しい言葉も掛けなかったな、と気落ちした。