病室では、暖かい毎日を過ごすことができた。
毎日シャワーを浴びて清潔になり、食事もきちんとできるようになった。
1か月の入院で兄はみるみるうちに健康体になった。
実家も酷い状態であったし入院を機に生活を変えて欲しいと思った。
まず賃貸の部屋を借りて 実家の片付けをしながら不動産屋に売却の依頼をすることにした。
4月に入り、退院後何回かは実家の方で一緒に片付けをしたがその後兄はだんだん姿を見せなくなっていった。(6日)
買い物を頼んでも近くの店に車に乗って出かけるとすぐには帰ってこない。
こちらもイライラするからつい怒り口調で「何してたの?随分遅かったね」と、聞くと「あ~、道が混んででさぁ~・・・」と返事があった。
そんな事があったとき、
兄が「この前家の片付けして帰ったら急に眠くなっちゃって車の中で寝ちゃってさ、目が覚めたら夜中の2時か3時だったんだ」なんて変な事言ってる時があった。「どこで寝ちゃったの?」と聞いたら 借りてる部屋の前の駐車場ということだった。
そんな話を兄が言っていたその後は実家の片付けに姿を見せなくなっていった。
私はまた兄の気まぐれで面倒くさいから来なくなったんだろうと単純に思っていた。
でも 違っていたかもしれない、
兄は眠くなったと思い込んでいたが、この頃には心臓の調子が少しずつ悪くなっていて車の中で気絶に近い状態になって倒れていたのかもしれなかった。
亡くなった後で色々思いだし考えてしまったうちの1つである。