顔面非対称矯正における
プロテーゼ手術の限界について
説明します。
最近よく訪れる
患者がいらっしゃって
2年前にアップしたものですが
もう一度リマインドします。
顔面非対称には
種類がいくつかありますが
その中で中心軸が曲がっている
非対称についてお話します。
2年前に書いたブログは
以下のリンクを
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中心軸が曲がっている
顔の非対称の場合
単純に美容的な問題だけでは
ありません。
機能的な問題が伴います。
顎の関節が関与するからです。
そのため、顎関節疾患の
悪化を防ぐためにも
中心軸を正す
根本的な手術が
行われなければなりません。
写真で説明します。
上の患者の場合は
黄色が中心線ですが
中心線が患者の右に曲がって
赤線で表示されています。
かなり曲がっている様子です。
顔面非対称矯正時に
このように中心軸が
曲がっている場合は
上顎も非対称で
下顎も非対称が一緒に存在します。
ですから結論から言いますと
上顎と下顎
両顎を手術しますので
両顎手術が必要なのです。
上の写真を見ると
矢印で表示された下顎の長さも
両側に差が大きいですが
丸の中にある顎関節も
患者の右側顎関節が
磨耗した様子です。
これだけの顔面非対称矯正が
必要な場合だと
右顎に痛みが感じられ
音がして、おそらく
生活に大きな支障があります。
そのため、上顎と下顎の長さを
合わせることで
顔の中心軸を正し
同時に
顎関節に左右アンバランスな力を
正しく分散させるために
上で言及したとおり
両顎手術と呼ばれる
顎矯正手術が必要になります。
ところで…
最近、プロテーゼを利用した手術が
よく行われています。
根本的というより
外見だけを考えた一種の施術です。
このように
中心軸が曲がっている
顔面非対称矯正時
顎関節という機能的な問題まで
解決しなければならないのですが
機能的な問題を考えなければ
もちろん簡単ですが
外見の美容的な問題だけを
解決する手術になります。
もちろん美容的な部分も
全ては解決できません。
口元の対称性や
顔のプロフィールなどは
全く矯正できません。
下顎の耳の付け根の非対称だけ
解決できる手術だと
思ってください。
次のような手術です。
顔面非対称矯正のために
プロテーゼを作りますが
下顎、下顎角に差があるだけに
大きさの異なるプロテーゼを
作って入れます。
もちろん手術も簡単ですし
耳の付け根の高さは
同じになります。
顔の中心軸が曲がっているのは
矯正できません!!!
ところが、上に述べたように
中心軸が曲がっている
顔の非対称は
耳の下角の非対称だけが
問題になるのではありません。
実際、誰かが顔を見る時
右耳の下の角度を見て
左耳の下の角度を見て
比較はしません。
この手術の問題点は
1. 曲がった顔の中心軸が
矯正できません。
最も重要なポイントです。
顔の中心軸が曲がっているのを
矯正しようとしているのに
矯正ができません。
2. 口角の高低が矯正されません。
もちろん根本的な解決策である
両顎手術をしたからといって
口角の高さが、全く同じに
なるわけではありません。
骨組織と軟部組織の
動きの違いがあるからです。
でも、ほとんど同じになります^^
3. 顔のプロフィールが
矯正できません。
両顎手術までするのに
顔が小さくなって
きれいにならなければなりません。
両顎手術時に
プロフィール矯正までして
立体的になり
顔が小さくなって
可愛い童顔の顔に
なるようにしなければなりません。
4. 顎の関節の機能の悪化を
防ぐことができません。
両顎が非対称だと
顎関節の非対称も付随しますが
非対称による顎関節疾患の悪化を
防ぐことができません。
もちろん、顎関節症が
非対称以前のように
完璧に回復することはありません。
しかし、これ以上
悪化は防がなければなりません。
本日は顔面非対称の矯正
プロテーゼ手術の限界について
説明しました。
プロテーゼの手術が
ある時は
簡単で効果的なこともあります。
しかし、機能的な部分を解決できず
甚だしくは
大事な美容的部分さえ
解決できない場合には
最小限に使用しなければ
ならないと思います。
また、顔の非対称を
矯正するために
経絡マッサージや
治療療法などが
多く広告されていますが
これについては言及しません。
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詳しい説明をいたします。
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