CLICK右差し“チェボンギュンの顔の骨のお話”

 

 

 

エラ削り手術後、感覚がありません…

神経損傷ですか?1

 

 

 

 

 

今日は

エラ削り手術後、

とても稀ではありますが深刻な副作用である

神経損傷について

お話させていただきます。

 

 

私が以前エラ削り手術時に

とても稀だけれども深刻な副作用として

神経損傷についてお話したことがありました。

 

しかし最近

私のブログをたくさんの方が見てくださっているからでしょうか。

 

また多くの方から

エラ削り手術後の神経損傷についてお問い合わせをされて、

また病院にもいらっしゃいます。

 

 

私の考えでは

とても稀な副作用だと考えているため

最近お問い合わせされる患者さん達が多すぎて

驚きを隠せないです。

 

 

実際今日も

患者さんお一人がお越しになり

涙を流しながら帰られました。

 

そのため今日は

このことに関して書こうと思います。

 

 

 

エラ削り手術後の神経切断は

本当に稀なことです。

 

その原因になるであろうケースを考えてみました。

 

 

1つ目として考えられる原因は

過度な骨切りです。

 

大抵神経線は

エラの角張った部位の骨を基準として

下顎の中間部分に位置しております。

 

しかし

なぜ切られてしまうのでしょうか?

 

 

エラの骨は口内切開をしてみた時には

目に見えません。

 

このような見えない部位を骨切りするには

経験がたくさんない場合

骨切り量を予測することが難しいです。

 

 

また

前顎の先まで骨切り線を長く持っていくとき、

神経線が顎の下側の表面と近い場合があるのですが

この場合も切ってしまう可能性があります。

 

 

これを予防するためには

手術前に必ずレントゲンを撮って見なくてはならなく、

エラ削りの部位について

完璧な解剖学的知識を持っていなくてはなりません。

 

 

一般的な方のエラの構造と

エラが目立っている患者さんの顎の構造

異なります。

 

これについてはたくさんの論文で発表されております。

 

 

一般的な解剖学の教科書に出ている

それこそ一般的なエラの構造を考えて手術に臨んだら

問題が生じる可能性もあると思います。

 

 

もちろん見えない部位の骨切り量を予測して

適切な量のエラを骨切りすることは

手術者の経験とも関連が大きいですよね。

 

 

 

 

 

2つ目として考えられる原因は

のこぎりの刃を間違って使用してしまった場合です。

 

望んでいる方向へと刃がいかず

神経線の方へと刃が上がってしまい

神経を切ってしまった可能性は大きいでしょう。

 

これはのこぎりを扱うスキルの問題です。

 

 

のこぎりを使用した経験が多くはなく、

自由自在にのこぎりを使用できな場合、

これにより深刻な問題が生じる可能性があります。

 

 

 

実際去年秋ごろに

私の知り合いの形成外科を開院している先生から

昼間に急に電話が来ました。

 

エラ削り手術中に骨を切るのこぎりが

間違って顎関節に上がってしまい、

顎関節が損傷してしまったのだけれど

どうすればいいかと

手術途中に慌てて私に電話をされたようです。

 

私が来て処理してほしいと仰られたのですが、

私も手術があったので直接手伝うことはできませんでしたが

電話で対処方法をお教えました。

 

このようなことはとてもとても稀なことで

想像さえもできないようなことですが、

実際発生しており、可能性のあることです。

 

 

 

 

私がいつもお話しているように

形成外科の領域の内

特に顔面輪郭分野は最も専門性が必要な分野です。

 

顎関節損傷を受けた患者さんは

当分の間は口を結んでおかなくてはならないため

全く開けることもできず

一生手術前のように自由に口を開けることも

できなくなる可能性があります。

 

 

とにかく手術器具を使用するにあたって

専門性と慎重さが要求される

大工の様です。

 

 

 

 

最後に神経線が切断された場合の

レントゲンをお見せします。

 

顎が切られている形も残念でしたが…

 

赤色点線が神経線になりますが、

骨をとても切ってしまい(緑色矢印)

神経線が梅雨の時期の洪水に巻き込まれ

道がなくなってしまったかのように

無くなってしまいました。

 

もちろん

左側の顎と唇の感覚は

数年目の今もない状態です。

 

 

 

 

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