CLICK右差し“チェボンギュンの顔の骨のお話”

 

 

顔面輪郭手術の死亡事故、

美容外科医療事故に関して

専門医が直接ご説明します

 

 






 

数日前の朝、

出勤をしながら私のブログを確認したところ

美容外科の医療事故に関しての質問が多かったです。

 

 

ネットで検索してみたら

顔面輪郭後の脳損傷に関した記事が出ておりました。

 

 

 

 

一般的に整形手術というと

ただの美容目的の手術であり、

生命に支障がなく

受けてもいいし、受けなくてもいい程度の

軽い手術として考えられがちです。

 

もちろん一般外科や

胸部外科、産婦人科などの手術に比べると

それほど大きくなく危険そうにも見えません。

 

 

しかし人の体にメスを入れます。

 

時にはのこぎりを使います。

 

決して簡単に軽い気持ちで考えてはいけません。

 

 

 

 

 

今日は

以前掲載した過多出血による死亡事故

今回発生した(新聞記事の表現を借りると)脳損傷の原因

 

そして一般的な整形手術時に事故が発生する状況について

客観的に冷静にお話いたします。

 

 

 

私が今日書くこのブログを見て

また医師会や他のところから何か言われないか心配です。

 

それでもきちんとした内容をお伝えすることが

私のブログの目的ですので

お話していこうと思います。

 

 

 

 

私のブログには患者さんだけではなく

広告業界に従事している方達もたくさんご覧になられております…

医者の先生たちもたくさんご覧くださっております。

 

ある先生からは

正直にどこどこの病院に勤務している誰々だと

自己紹介をしてくださいながら

直接質問してくださったりするのですが

大歓迎です^^

 

 

とてもとても詳しく個人的にでもお教えいたします。

 

 

 

数日前には

顔の骨の手術をしている病院の

手術室にてお仕事をされることになった方から

解剖学を勉強なされなくてはならないんだと

血管について個人的に質問されました。

 

 

 

 

そして今日は

患者さん達にとっても重要ですが、

医療業界に従事している先生方や

看護師さん達のための内容にもなります。

 

少しでも役に立てれば私はそれだけでも充分です。

 

 

 

私が数回にわたって

顔の骨の専門医或いは病院を選ぶ方法を

ご説明してきました。

 

下のリンクをクリックされると詳しい内容をご覧になられることができます。

 

 

 

 

医療事故!!!

たった一人も望んでいない、起こってはならないことです!!!

 

医師は安全な手術のためにいつも最善を尽くし、

患者はそのように最善を尽くす医師を信じて

手術を受けられるようになります。

 

しかし予想もしていなかった

または一瞬の過ちにより事が起こり、

それにより患者側も辛く大変になりますが、

該当医師もまた辛く大変な時間を過ごすようになります。

 

もちろん事故が自分の身に起こった

患者さんほどではないかと思いますが。

 

 

 

 

そのため今日は少なくても

整形分野で発生する医療事故の原因について

お話しようと思います。

 

手術結果や満足度等に関したお話は省略します。

 

生命が危険になるまさに医療事故についてご説明します。

 

 

 

致命的な医療事故

(脳損傷または死亡)は

大きく2つの原因により発生します。

 

もちろん他の理由も多いですが、

もっともよくある原因になります。

 

 

 

1つは手術部分…

もう1つは麻酔部分…

 

 

手術部分においての致命的な事故は出血です。

手術は血との戦争だとも表現されてもおかしくありません。

多くの経験と熟練性が必要な理由です。

 

手術時に出血が発生しないことはありません。

しかし、大量出血が発生した時、

すぐに対処しなければなりませんよね。

 

特に顔の骨の手術は

口の中という矮小な空間から全ての過程が行われるため

出血時には止血をするのが難しいです。

 

矮小な空間で見えないけれども

手術部位が気道を取り囲んでいるため、

気道を押して呼吸が難しくなる可能性があり

出血時は即効的に処置が行われなくてはなりません。

 

 

下の写真は

RadioGraphics May-June 2006 Vol. 26, No 3, 745-763に

掲載されている論文から抜粋した絵です。

 

顔の血管の絵がとてもきれいに表現されていて

私が以前にも参考にできるようにお見せしたことがあります。

 

 

上の写真を見ると

顔の骨の手術をする時に傷つく可能性のある

大きな血管がきちんと描かれております。

 

 

上の血管の中でも

大血管、2番、5番、6番、7番は

傷ついてはいけません。

 

2番と5番は

連結している内頸動脈(Internal Carotid Artery)です。

 

6番は内頸静脈(Internal Jugular Vein)、

7番は外頸静脈(External Jugular Vein)です。

 

 

簡単には傷つくこともない血管ですが

このような血管が万が一…

 

ひょっとしたらひょっとして傷つくかもしれないので

外科医師ごとにこの万が一のための対策があり

実際の手術時には保護を完璧に行い

手術を行うようになります。

 

 

 

このような大血管以外に

口の中から大量出血を引き起こす血管は

1番の血管であるRetromandibular veinです。

言葉通りVein、つまり静脈です。

 

静脈は常識的にも動脈ではない以上

血が沸き上がることはなくダラダラ流れているため

それ程酷くはないと考えられており、

実際にも圧迫だけきちんとすれば止血ができます。

 

しかしこのretromandibular veinは静脈にもかかわらず

傷つくと動脈に負けないくらいに血が出ます。

 

 

上の絵でも見て分かるように

とても太く、血液量も多いため、

経験のない方たちは

何か大きな動脈が切れたのではないかと誤解する程

出血が急激に多くなります。

 

 

私も初心者時代(今も初級で下級はありますが…

下級に関したお話はまた後でお話しようと思いますㅠㅠ)に

このretromandibular veinの出血により

かなり慌てた経験があるのですが、

その患者さんは再手術患者さんで

私がお話した解剖学的な歪曲(Anatomical Distortion)により

位置が変わり、変わった位置から出血が発生し

止血をするのがとても大変だった経験があります。

 

その瞬間は動脈が切れたのかと思い

何の動脈なのかも分からなかった瞬間でした。

 

とにかく医師をとても手間取らさせる血管ですㅠㅠㅠㅠ

 

 

 

その次は

多分実際にも大きな事故につながる血管だと思います。

まさにFacial Artery

顔面動脈です。

 

私のブログでも数回言及してきました。

 

それぐらい重要で、

問題が起きたらすぐには止められないくらいに

問題が大きくなる血管です。

上の絵では3番に該当します。

 

下顎の下から顎を包み込み上に上がってくるのですが

もちろん顎の上へと上がってきます。

 

出血が起こっても大丈夫です。止めればいいので。

 

しかし問題は

顎の下もしくは内側奥深い位置で

エラを骨切りするのこぎり或いは他の器具たちにより

損傷を受けて出血が生じます。

 

 

下の写真はScience Directに2011年度

Visceral Vascular Manipulations

Jean-Pierre Barral D.O(UK), MRO(F), Alain Croibier D.O., MRO(F)

等が発表した内容です。

 

 

上の写真を見ると

赤い丸の中赤色矢印

顔面動脈、Facial Arteryが表示されております。

 

絵で見て分かるように

内頸動脈から出て下顎の内側から下顎の端まで包み込み

下顎の外側へと、顔の外側へと上がってきます。

 

上に上がると鼻の動脈と連結します。

 

 

上で言及した通り

この顔面動脈という血管が破裂すると

 

1つ目、経験のない先生だとまず慌ててしまいます。

血が出る程度が細い血管にもかかわらず

ただただ流れ出してくると考えてください。

 

2つ目、このように出血が急に急激に出るので

血管の損傷部位を探すことができません。

 

3つ目、位置を大体把握していても

上顎の骨の内側から出血が出ると

止血が不可能です。

 

このような顔面動脈損傷は私も3回ほど経験したと思います。

 

 

 

台湾留学時代に

教授の手術で1度傷つけてしまった時、

教授から対処方法をお教えくださったのですが

 

それをまた応用して

3段階にわたって止血する方法を考えるようになり

私のブログにも数回お話したと思います。

 

ある時には手術中の先生から直接電話が来て

この方法を尋ねられたことも数回ありました。

 

 

 

一番良い方法は予防です。

 

顔面動脈が損傷を受けないように保護膜を作り、

手術をしなくてはなりません。

 

そうすることで慌てることも

問題が起こることもないでしょう。

 

経験の多い先生たちはそれぞれ保護法を知っており

安全に手術をされることでしょう。

 

ですのでご心配されずに手術をお受けになられてください。

 

 

 

 

 

その次、問題を引き起こす可能性のある血管は

Lingual arteryと呼ばれる舌の動脈(?)です。

 

より詳しく絵から見ていきます。

 

 

上の写真はJournal of Oral Implantology 2013に

Dennis Flanaganが書いた

“Floor of Mouth Hemorrhage”

から抜粋しました。

 

 

上の写真で2番が舌動脈(lingual artery)です。

 

この血管は舌の下からsublungual artery(8番)と

deep lingual artery(12番)に分かれます。

 

エラ削り顎先手術時に

損傷を受ける可能性があります。

 

 

このように

顔面輪郭手術死亡事故及び

美容外科医療事故の2つの

大きな原因の一つである

手術的な部分からの出血についてお話しました。

 

 

 

原因2つ目に続く→

 

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