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“チェボンギュンの顔の骨のお話”
両顎手術後、
ずっと口から膿が出ます
専門医がお教えする副作用と再手術
もう韓国ではどういうことか、
両顎手術も一般美容手術になってしまいました。
このように開院したら
誰でもするような手術になってしまったということは
その分、技術力も良くなって
手術環境も良くなったということでしょう。
しかしまだ私にとっては
手術時間の2時間は
とてもとても緊張して、難しく、
こんなにも適当に誰でもできる手術ではないと思いますㅠㅠㅠㅠ
しかし問題が発生した場合
すぐに対処ができなくて苦労される患者さん達が
いまだに多くいらっしゃること、
とても残念な現実だと思います。
美容でも癌でも
どんな手術をする時でも
人の体に刃を入れる行為なので
どんな状況が発生しても
バックアップができる、
つまり即効的な対処をすることができるところで
施行されなくてはならないと思います。
私も形成外科専門医として
初期には目鼻胸などもしていたけれど
今はもう顔の骨だけをして既に10年以上経ちました。
目鼻胸は経験もある程度あり
手術をすることはできるけど、
問題が生じた時に
全てに対処することができて、
また解決が可能なレベルではないので
目鼻胸の手術は執刀しなくなってから15年近くになりますㅠㅠㅠㅠ
両顎とは
上顎と下顎を同時に矯正する手術ですが、
上顎はLe Fort I Osteotomyという
つまり、ルフォー第1骨切り術を使用します。
そして下顎はBSSO或いはSSRO
(Bilateral Sagittal Split Osteotomy或いは
Sagtital Split Ramus Osteotomy)
という方法を使用します。
もちろんIVROという方法を使用したりもしますが
患者さんたちの安全と便利性を考慮すると
BSSOまたはSSROが良いとお話しました。
もちろんBSSO(SSRO)は医師が難しい手術ですㅠㅠㅠㅠ
IVROは以前にも私のブログで説明しましたが
簡単に垂直骨切りを行い、固定をしません。
またこの骨切りは神経線とは離れていて
神経損傷がないというメリットもあります。
しかも固定を別途でしないため
手術が早く終わります。
しかし、固定を特別しないため
顎間固定ということをします。
顎間固定をしないと骨がグラグラして
骨がくっつきません。
そのため顎間固定をするのですが、
問題は手術によって腫れもたくさん出て
ご飯も食べられず辛いのに
上下の顎を結んで口を動かせないように、
口を開けられないようにされたら、
誰でも楽な状況ではないと思います。
以前にもお話したと思いますが、
数日前私に両顎カウンセリングを受けられて
手術当日に現れなかった日本人患者さんがいらっしゃいました。
当日朝に連絡がついて
その日一日はただ捨てられた日でしたㅠㅠㅠㅠ
しかし数日後、
夜中に当院の室長にその患者さんから緊急の連絡が来ました。
他の病院で両顎を受けられたらしいのですが、
口を結ばれて息を吸うのも辛いと
どうにかして欲しいと…
他の病院で手術を受けられた患者さん…
それも数日も経っていない方には
私が手を付けないことが原則なのですが
それでもとてもとても優しい当院の室長が
何かでもしてあげなくてはいけないんじゃないかと、
協力大学病院に行ってみてくださいと伝えて
少しでも、大きな腫れが引く時まででも、
顎間固定を外してもらってくださいとお願いしました。
IVROも多くのメリットはある方法ですが、
患者さんの過ごしやすさを考えるなら
IVROよりもSSROがより良いと思います。
一方IVROを主に使用されている先生たちからは
SSROは神経損傷が生じると…
大きなデメリットだという神経損傷…
しかしもうこれからは
起こらないと考えていただいてよいです。
しかもある先生は
両顎したら上下顎の感覚は
全て無くなるものだとㅠㅠㅠㅠㅠㅠ
私が昨年に国際学術誌[SCIジャーナル]である
イギリスで発行されている
British Journal of Oral and Maxillofacial Surgery[BJOMS]で発表された
“Manual Twist Technique”
使用時、
神経損傷はほとんどないと
考えていただいてよいです。
下のリンクをクリックすると
詳しく内容をご覧になることができます。
→☆
本論に戻りまして…
今日は両顎手術中の下顎手術である
BSSO(SSRO)後に口内からずっと膿が出る炎症で
苦労された患者さんのお話です。
事前に誤解がないようお伝えします。
どんな手術でも炎症が生じる可能性があり
感染が生じる可能性があります。
副作用がない手術はなく、
副作用なく手術をできる医師もいません。
手術後の感染炎症については
どんな教科書でも当然発生する可能性があると
記述されています。
しかし、このような副作用が発生した時
原因を早く探し出し
対処を早くしなくてはなりません。
そうできなかった場合
患者さんは大変苦労することになります。
今日の患者さんも
6カ月前にBSSO(SSRO)を受けられたのですが
口内からずっと何か気持ち悪いものが出ておりました。
そのため手術を受けた病院に行ったのですが
そのまま待っていてとだけ言われたそうでㅠㅠㅠㅠ
その間に私のブログをご覧になられて
私の元にお越しになりました。
まず口内から見ていきます。
上の写真のように
ポコッと軟部組織がプニプニと出てきていて
もちろん穴が開いております。
そこから変な液体が出ております。
炎症による膿です。
しかし問題は
手術を受けられてから6ヶ月目なのに、
6カ月も経っているなら炎症でも感染でも
発生するような時期ではありません。
一般的にはどんな種類の手術でも
手術による正常的な炎症感染は
(ここでの正常的とは炎症が生じるのが正常だという意味ではなく
手術によって手術部位に発生する炎症または感染を意味します。)
2週間以内に発生します。
つまり、2週間以内に発生したなら
手術部位の感染や炎症だろうけど、
2週以降に発生したなら
この手術以外に、
つまり予想していなかった感染や炎症が発生した
ということを意味します。
そのためこの場合には
もっと詳しく、手術部位だけではなく
他の周辺部位或いは異物やその他要因等を
考慮してみなくてはなりません。
しかも上の写真のように
手術部位が全体的に腫れあがっているのではなく
一部が出ていて炎症の所見が分かる場合
異物が原因の可能性が大きいです。
ここでの異物とは
ピンになることもあるし
骨の一部になることもあります。
本人の骨の彫刻も
完全に彫刻として骨膜から分離され
血液供給が行き届かないと
異物と変わりありません。
また6カ月目でも症状が続くなら
これからも自然に治る確率はないと考えて良いです。
そのため検査をしてみます。
まず一般レントゲン撮影をしてみます。
正面写真では
特に変わった異常所見ははっきり目に見えません。
下顎固定をBicortical Screwという長いスクリューで
両側の骨をつかんであげる方法ではなく、
プレートを利用した固定をされました。
この方法自体は問題にはなりません。
たくさん利用されている方法です!!
側面写真です。
やはり大きな問題はくっきり見えません。
代わりに青色矢印が指している部分
顎先を前進しているのですが、
2次角が残っています。
患者さんはこれを除去することも望まれました。
パノラマ写真です。
やはり特別な所見はございません。
特に炎症があるように見える口内の
ボコッと起き上がっている病変がある部位にも
はっきりと何かがあるようには見えません。
しかし、周辺に骨の彫刻の影が
均一ではなく少し様々で
何かが起こっているんだろうと疑うことができます。
次回に続きます→
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