CLICK“チェボンギュンの顔の骨のお話”
頬骨手術の副作用
手術後口が開かないです、、
顎関節損傷
今日は
頬骨縮小手術の副作用の中でも
とてもとても稀な副作用である
顎関節損傷について
お話したいと思います。
先週
私の外来にある患者さんが
いらっしゃいました。
江南の某美容外科で
頬骨手術を2度
受けられたといいます。
しかし
1回目の手術を受けて
6カ月間口を開けることができなく
口を閉じたまま
ストローで水だけ少しずつ
飲んでたといいます。
次第に
舌圧子を利用した開口運動もされて
昨年同時期に
まだ頬骨が気に入らなくて
2回目の手術を受けられたというのですが
触ってみたら
ほぼ1年経っているのにも関わらず
まだ頬骨が離れていました。
患者さんが私の元に来られた理由は
1回目の手術後の
まだ口が開かなかった時のように
顎が痛くて
歯の噛み合わせもずれてしまったように
感じたからだそうです。
もちろん
頬骨手術直後の腫れ等によって
一時的に
口を開けるのが辛くなることはあります。
しかしこの患者の場合
患者さんの状態を直接見たところ
初手術時に
頬骨のアーチを切ろうとしたのこぎりの歯が
間違って顎関節を通ってしまい
顎関節を損傷させて
口が長期間開けられなくなり、
そしてこれによる痛みがまだ残っており、
顎関節が不安定なため
噛み合わせがずれてしまったと判断しました。
以前に
頬骨手術の仕方についてお教えした通り
頬骨手術は
本体とアーチの2部位を骨切りして
押し入れたり
骨の切片を切り取ったりして
固定する手術です。
ここでアーチ部分を骨切りするとき
アーチの中でも最も後方部分を
骨切りすることが重要で
前側には骨の段差が触って分かることがないように
顎関節のすぐ前で
骨切りを行わなければなりません。
ちょっと考えてみると危険に感じますが
基本的な解剖学的知識があれば
絶対に今回の患者のようなことは
ありえないことです。
私は
教科書でもどの論文でも
顎関節損傷の危険に関しては
聞いたことがなかったです。
そして他の問題は
頬骨を固定しなかったため
骨切りされた頬骨が下へと落ちてしまい
頬のたるみがひどく、
垂れている頬骨と既存の骨の間が
離れていて
顔の一部がペコっと凹んでいるように
見えることです。
私がいつも言及する
固定ができていなかった場合に起こる副作用です。
離れてしまった頬骨は
私がきちんとした位置に戻して
固定をすることはできますが、
顎関節は
正確な診断が要求され
MRI等の検査が必要になるため
大学病院の教授に
診療の予約をしてあげることにしました。
手術中、手術後に問題が起こったら、
そして
個人病院では解決ができないような問題なら
必ず
総合病院の経験の多い教授に
助けを求めないといけないと思います。
もちろん
恥ずかしくてプライドが傷つくこともありますが
まずは
患者の安全が最優先だからです。
その患者さんの場合も
執刀医が手術後に顎関節損傷が分かった時
すぐに総合病院に送り
より精密な検査を受けて
処置を行っていたら
状況は変わっていたのではないかと思います。
患者さんに手術法を詳しく聞いたところ
頬骨手術を
もみあげや髪の毛の切開はせず
ただ口内切開のみで行ったといいます。
それを聞いた時に
のこぎりの歯が顎関節まで引っかかってしまったんだと
確信できました。
もちろん口内切開だけで
頬骨手術をしたりもします。
しかし
正確な解剖学的な知識を持って
正確に解剖学的な位置を把握した後
手術を行わなくてはいけないんじゃないかと
思います。
もちろん
目で確認することが最も正確ですが、
目で見えないのなら
手ででも確実に確認して
骨切りをしないといけないと思います。
残念ですが今の時点では
いくら診断ができたとしても
その患者さんに私が直接
何かしてあげれることがありませんでした。
口を開ける運動をして
時間が経てば少しは良くなるでしょう。。
先週はその方が心配で
私もあまり気分良く過ごせなかったです。
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