勉強が忙しくて楽器の練習する暇がない…これは世界の学力水準比較や余暇の過ごし方の統計などからすると,あまり当たってないような気がする。塾通いで忙しいのかもしれないが,皆が皆そうではないでしょう。
理由をいろいろと考察するに,まず考えられるのが月並みやけど少子化とテレビゲームの影響。楽器習得に必要な修練やコミュニケーションを必要とするバンド活動が敬遠されてるのかもしれない。ヒップホップなど打ち込み中心の音楽も一種テレビゲームに近い感覚かと思います。女の子は嗜みやら見栄云々でピアノなど習い事をさせられるケースも多く抵抗が少ないのか,バンドやる女の子も多いような気がする。男の子はスポーツやるでもなく,一体何やって過ごしてるんやろね? 家に籠ってゲームやってる子が多い?
また,中高生になると,ケータイの維持に費用がかかりすぎて,楽器を買う経済的余裕がない,という説もありますね。ちなみに,私が卒業した高校でも軽音楽部は入部者が少なく,風前の灯火とか。
このへんの事情,欧米ではどうなんだろ?
そんな中,オヤジ世代ばかり相手にしてたのでは今は良くても,10年後,20年後には市場が細っていく,長く続けて行くためには次世代を取り込んでいかないと,という意図があるのかどうかは分からないものの,最近ギブソンは「何やコレ?」というようなものも含めて,いろんなモデルを発表してます。中には瞬間芸的な一発モノもあったりします。また,エピフォンやマエストロなどサブブランドも含めて廉価版モデルも充実を図っているようです。
かつてのギブソンにも同じ思想があったのかどうか分かりませんが、70-80年代にも新機種を投入していました。多くは,その意気込みに反して短命に終わったようです。
思いつくところを紹介していきたいと思います。
<スピリット(Spirit)>
●エピフォン・スピリット

81-82年,スピリットは当初,ギブソンのカラマズー工場で生産されながらも,エピフォン・ブランドで発売されました。ヘッドのエピフォン・ロゴの下には小さな文字で「USA K.Z」とあります。エピフォンギターは70年代以降は日本や韓国で製造されていたので,差別化を図る意味で「米国カラマズー製」の表記を追加したものと思われます。
Hamer SUNBURST '78当時ギブソンにはこのタイプのギターがなく,同じシェイプを流用したヘイマーのサンバーストあたりが好評を博していたのに対抗したのかもしれません。が,売行きが芳しくなく,まもなくギブソン名義に変更されました。ピックアップの数の違い等により,以下の4つのモデルがあります。
●スピリットI

なんや,ダブルカッタウェイ・レスポールじゃん! そのとおり。違うのはピックアップがハムバッカーであるのと,ネック・ジョィントが20フレットである点(50年代末ダブルカッタウェイは22フレット)。ジョントが深い分,PUやブリッジの位置も下がっています。ピックガードはオリジナルに倣ってます。フィニッシュは最初,写真上のシルバーが標準カラーだったようです。
ブリッジは,初期はシャーラーのコンビネーション・タイプ#455。これは現在も販売されてます。バダスの改良版ですね。後にT.O.M+ストップ・テールピース仕様に変更されるようです。
販売期間は82-88年。
●スピリットII

2PU版。2Vol,1Toneのノブの配置,ブリッジが違うだけで,HAMERとほぼ同じ。バインディング無しの個体もあるみたい。
これも87年頃には姿を消します。
●スピリットI XPL
●スピリットII XPL

XPL=エクスプローラのヘッドを採用したモデル。ケーラーの廉価版ビブラートユニット・フライヤー(Kahler Flyer)を標準装備。
こちらもクレイマーやパフォーマンスなど,他メーカーに持ってかれてたヘッドデザインを無理矢理こじつけて挽回を図ったような感じですが,結局,販売期間は85-86年と短命に終わりました。

ケーラー・フライヤーは,80年代中頃のグレコやB.C.リッチ等のエコノミー・モデルにも採用されてました。スタンダードモデルとは台座の形状が異なり,サドル部分が簡略化されているものの,構造自体はほぼ同じです。
スピリットは中古価格はそれほど高くないようですが,市場にはあまり出回らないみたいです。現在はエコノミー版のダブルカッタウェイのレスポール(PUはP-90)も販売されており,「スピリットじゃないとダメ」という動機は見つからないかも。