「禍事符」より


火が水を凌駕する。水が沸き立ち、火へと変わる。そんなあり得ないことが起きた時、世界のバランスは崩れる。奇跡を起こした喜びは、すべてを蹴落とす驕りへと変わり、天を目指す虚飾の塔が街に立ち並ぶ。一見、繁栄している世界に見えるが、笑顔の人はいない。相手を蹴落とし、競争する自己中心的な感情だけが世界を包み込んでいる。人々の感情は邪気となり、邪気に包まれた街の繁栄は誰も幸せにせず、華やかな破滅へ突き進む。