Every day's blues
山田詠美著


エイミー3連発


面白い構成の本だ。各章の冒頭、登場人物の死亡記事で始まる。本は小学校2年から高校2年までの話。だからその登場人物がその後どんな人生を送ったかがわかる構成。


転校してきた仁美(愛称フトミ)と心太(テンちゃん)、美穂(ミーホ)、無量(ムリョ)の男女4人を中心とする友情だったり愛情だったりの物語。

エイミーの小説で、小学生が主人公の話なんて最初思いもよらなかった。文章も市原悦子さんの朗読が合いそうな「~です。~ます。」調で、常に第三者の目線で語られる。最初「24の瞳」かと思った。

特に話の中心人物である仁美の自慰の発達史に重心が移っていくあたりがやっぱりエイミーだ。

小学校2年生で、セックスと全然結びつかない、ただ不意に経験した不思議な感覚を求めることで意味もなく自慰を始めるなんてこともあるなかなぁー。

いつも眠りたがるミーホや、いつもお菓子を持って食べているムリョとか、なんか人間の根源的な欲望の象徴のようで面白い。テンちゃんは権力欲?そしてフトミは性欲の象徴か。

エイミーの真骨頂であるありがたい恋愛のお言葉はないけど、子供の心の機微がすごくうまい。新しい領域を作り上げた感、あります。