直前に読んだ「博士の愛した数式」に続いて小川さんの本。
芥川賞受賞作です。
「博士の・・・」読んだとき、この作家は芥川賞というより直木賞タイプだと思ったけど、この「妊娠カレンダー」という小説、やっぱり芥川賞だわ。
妊娠した姉に染色体を破壊する農薬が入ってることを知りつつ、ジャムを作って食べさせる妹の話。
何気ない日常の生活を送りながら、こういう心理を持つのは、異常とまではいえないような、誰にも持ちうる静かな悪意の怖さが不気味です。
他に寂れた学生寮の不思議な管理人(両手と片足を欠損している)とその寮で起こる事件ともいえない事柄に偶然関与することになる女性の話「ドミトリイ」
「夕暮れの給食室と雨のプール」の3編。
どれも静かな雰囲気の光景の中にひそむ不気味さを感じる不思議な魅力の小説です。
