かの子撩乱(瀬戸内晴美著)

昭和初期の歌人・小説家の岡本かの子さんの伝記。

画家岡本太郎さんのお母さんです。

欲しいものは何でも手に入れなきゃ気に入らない。ワガママなナルシスト。子供のお化けみたいな人格。

いつも白塗りの厚化粧で奇抜なファッションといえば、僕の知ってる人ではあの大屋政子サンみたいな感じか?

こんな人と夫婦になったのは、総理大臣の名前は知らなくても岡本一平の名前は知ってる、といわれたその時代を代表する漫画家岡本一平さん。

今になってから見れば、この夫婦以外考えられない組み合わせ。運命なんだろうな。

夫婦といっても、一平さんの浮気が発覚して以来何十年も性生活が無かった。そんなことまで世間に公表した。

その夫婦の家庭にかの子がほれた2人の男性も一緒に生活している。こんなヘンテコな生活を送れるのは、一平・かの子2人の常識はずれな個性のなせるワザなんだろう。

当時としては、大変なことだと思われる、ヨーロッパで2年の大名旅行みたいな生活(太郎さんは、ここでパリに一人で残る)。そして後年小説家としての大成功。本人の芸術至上主義的な生き方と努力のたまものなんだろう。

興味深いのは、同じ家庭に2人の芸術家はいられないと仕事をセーブした一平さんの考え。一平さんはじめ2人の同居男性はかの子の芸術のための働き蟻のような生活になる。かの子が書いた膨大な原稿の校正・清書・身辺の世話に追われる。この男たちの生き方を続けさせるだけの魅力というか魔力というか、力をかの子は未っていたんだ。不思議な人だ。

かの子没後に発表された作品は、かの子本人の作というより、かの子・一平の合作なんじゃないか?との事だけど、それも含めて偉大な作家のとても興味ある人生でした。