東京に住む孫に会うことが一番の楽しみだった、熊野和久さん(67)。2024年10月、大分市の自宅を出たまま行方がわからなくなっている。

妻は「(洗濯物をしていたら)急に出て行った。『どこに行くの?』って聞いたら、『公園に散歩に行ってくる』って」と、当時の状況を語る。

和久さんは、自宅から徒歩5分の場所にある公園でウォーキングするのが日課。その日は午後4時ごろに家を出るも、1時間以上経っても戻らず。家族が迎えに出向いた時には、どこにも姿はなかった。すぐに警察による捜索が行われたが、足取りはわかっていない。









行方不明当日まで、調子の良い日が続いていた様子。


なんだか頭も冴えているし、気力も漲っている。このまま良い状態が続くのではないか、と本人は思っていた。


その日もなんの不安もなく、張り切って出かけた。


しかし歩き出して割と早い段階で、認知機能の低下が訪れた。


自分はどこへ行くのか?何をするのか?

分からなくなってしまった。


気力はあったので、とにかく前に進んでいこうと思い歩き続けた。


その途中、何かしらの事故にあった可能性がある。


相手が警察へ通報しようとすると、和久さんはそれを止めた。


たいした怪我じゃないし、警察を呼ぶほどではない。おおごとにしてしまったら家族も心配するから…。


そう言うと和久さんはその場を去ってしまう。


相手も、和久さんが元気そうに歩いていくの見て安堵し、現場をあとにした。


自宅周辺から離れた場所にいて、今は生存している確率は高い。