2022年5月9日午前3時15分ごろ、東京都東村山市多摩湖町1の3の11の2階建て住宅で、火災があったと近所の住民から110番通報があった。住宅は約80平方メートルが焼かれ、住宅の中から女性1人、男性3人が救助され病院に運ばれたが、全員の死亡が確認された。

4人の身元はこの住宅に住む世帯主の男性(当時65歳)とその妻(当時64歳)、次男(当時36歳)、四男(当時26歳)であることが判明。4人の死因はいずれも一酸化炭素中毒。全員とも2階の和室であおむけに倒れており、衣服からは灯油の成分が検出された。

出火直前、この住宅のインターネット回線を通じ、警視庁の情報提供サイトに「放火、焼身、心中」などと書かれたメッセージが届いていたほか、男性が火災の前に灯油やライターを購入していたことが判明。第三者が侵入した形跡はないことなどから、東村山署は4人が心中を図ったと判断した。

また、火災からおよそ2週間後には、住宅を解体していた業者が1階の3畳間の洋室から、毛布のようなものにくるまれた三男(当時30歳)の遺体を発見した。遺体は白骨化せず長期間酸素に触れないことで、ろうのように変化する「屍蝋化(しろうか)」した状態で、司法解剖の結果から死後1年以上が経過していたことが分かった。

2022年12月9日、警視庁東村山署は現場の状況から4人のうちの誰かが家族を殺害するために放火したと判断し、容疑者不詳のまま殺人容疑で東京地検立川支部に書類送検した。




殺人事件ではなく、一家心中で間違いない。


三男が亡くなったことは、家族間で重い澱のようになっていた。


このまま家に遺体を置いておく訳には行かないものの、お金もなく、行動に起こせない。


誰もがなんとかしようとしたが、もうどうにも出来なかった。


自分たちの手には負えない、かといって他人に相談もできない。


話し合うも解決策はなく、どんどん気力は削がれていった。


心中することも突然の思いつきではなく

だんだんと、そうするしかないと皆が思い始めてしまい、実行に移してしまったから。


一家心中する準備は、主に息子たちが請け負った。


きちんと確実に成功するための方法を考え、灯油やライターを購入。


この状況を一番憂いているのは母親で、最期まで家族に申し訳なさを感じていた。