福島県北塩原村の吾妻連峰で行方不明となった東京都の50代会社員男性について、猪苗代署は2日も引き続き捜索を行ったが、発見には至らなかった。同署は同日で捜索を打ち切った。 同署によると、男性は昨年12月30日、北塩原村のスキー場から場外で山スキー(バックカントリースキー)を行うため吾妻連峰に1人で入山。西大巓(にしだいてん)から西吾妻山の付近で身動きがとれなくなり同日午後4時40分ごろ、自ら110番通報した。12月31日から今月2日にかけて同署や消防など約20人で捜索した。



男性は山スキーへ行くことを親族の女性(妻、母、姉妹)などに強く止められていた。

「この時期の雪山は危ないし、やめた方がいい。」


しかし男性の意思は変わらず。過去にも山スキーを経験しているが、全く問題なく楽しめていた。


「心配しすぎだよ。ちゃんと帰ってくるから。」


なかば押し切る形で決行した。


最初は順調だった。準備も万端だし、今までの経験もある。これなら予定より早く帰れるかもしれない。


せっかく遠くまで来たから、ついでだし少し足を伸ばしてみるのもいいかもしれないな。時間なら余裕もある、蓄えも十分。行ってみようか。


予定していたルートをはずれ、ほんの少し冒険してみることにした。


気の赴くまま、とはいえ抜かりなく地図も確認しながら進んで行った。


ふと気がつくと、地図で見ていたルートとは違う道へ進んでいたことが発覚する。


随分進んできてしまった。急いで戻ろう。


しかし、進んでも進んでも景色は変わらず。同じところをぐるぐる回っているようだ。


これはまずい。とにかく急ごう。


男性は焦ってしまい、冷静さを欠いた。このことが今回の遭難の一番の原因。


どこかの分岐点であり、沢の近くの場所で救助を待つことにした。


捜索された場所は男性が辿った道とそう離れていないが、男性はさらに進んだ奥地にいる。


発見時、生存の可能性は低い。