2015年5月31日午前9時ごろ、東京都千代田区にあるJR東京駅丸の内南口改札付近のコインロッカーを管理している会社から、「ロッカーに入っていたキャリーバッグの中に人のようなものが見える」と近くの交番に110番通報があった。

警視庁丸の内署によると、遺体は高齢の女性で目立った外傷はなかったが、死後1カ月以上経過しているとみられ、一部腐敗していたという。女性は身長約140センチと小柄で、衣服を着用し、丸まった状態で黄色いキャリーバッグ(縦73センチ、横53センチ、厚さ27センチ)に入っていた。

6月1日に遺体を司法解剖したが、死因は分からなかった。事件から1年が経過した2016年4月26日、警視庁丸の内署捜査本部はこの女性の身元に関する情報提供を求めるポスターを作成したが、女性の身元、犯人とも不明のままである。




犯人は被害者の息子。


生活苦だった二人は、その日食べるものにも困っていた。


犯人は仕事が続かず、職を転々とし母の年金をあてにして暮らしていた。


体が弱っていた母は、そんな息子が心配で仕方なかった。


自分がしんだらどうするのだろう?この子はどうなってしまうの?


息子を思うあまり、咎めたり時に激しく言い争うこともあった。そのとき犯人が暴力を振るうこともあった。


ある日犯人が目を覚ますと、隣で寝ていた母が冷たくなっていることに気付いた。


犯人は慌てた。


老衰なのか、栄養不足なのか…死因は分からなかった。


鬱陶しかった母でも、亡くなってしまうとやはり悲しかった。


そしてこれからどうするかを考えた。


葬式を出せる余裕はない。火葬費用もない。そもそも何をどうすればいいのか分からなかった。


でもこのままにはできない。犯人は覚悟を決めた。


母の遺体をスーツケースに詰め、コインロッカーに預けることにした。


これなら運が良ければすぐ見つけてもらえるだろう。


身元不明であっても、火葬くらいはしてもらえるはず。


そうして母を置き去りにした。


逃げるように引越し、全く知らない場所で新しい生活を始める犯人。


母への贖罪もあり、真面目に生きることにした。


ニュースになり、事件として報道された時には驚いたが、名乗り出るつもりはない。