1978(昭和53)年11月23日夜9時ごろ、京都府宇治市槙島で、マラソン(ランニング)中の主婦、前田昭子さん(当時38歳)が行方不明になった。前田さんの帰りが遅かったことを心配した夫が警察に届け出た。前田さんが走ったと思われるコースを警察が捜索したところ、前田さんの自宅近くの農道に大量の血痕が見つかった。

血痕はおよそ200メートル離れた田んぼまであぜ道に沿って点々と続いており、人を引きずったような跡と複数の足跡も残されていた。大量の血痕の血液量は、人間の致死量であるおよそ1リットルあまりにものぼっていたと言われている。

血痕の血液型はO型で、前田さんの血液型と一致していることから、危害を加えられた後何者かに連れ去られたものと思われる。付近で交通事故の痕跡もないことから、警察は殺人・死体遺棄事件として捜査したが、前田さんは見つかっていない。




前田さんと犯人は知り合いだった。


犯人は以前から前田さんに好意を持っていて、個人的に何度か接触をはかっていた。


前田さんはそれに気付きながらも、知り合いのため無下にもできず渋々対応していた。


そして当日。犯人はあらかじめ調べておいたランニングの時間帯に、前田さんの家の近くで待ち伏せをしていた。


前田さんは驚き、恐怖を感じ

ついに今までの不満をぶつけてしまった。


無下にできずに対応していただけで、犯人に好意は全く持っていないこと

むしろ気持ち悪く感じているので、辞めて欲しいということ

もう顔も見たくない…


それだけ言うと、前田さんは逃げるように家へ向かった。


犯人はショックと動揺、そして怒りに自我を失い前田さんに手をかけてしまう。


慌てた犯人は隠蔽するために前田さんを運び、誰にも見つからない場所へ隠した。


犯人はそれからも何事もなかったかのように暮らし、怪しまれることも無く生きている。