2020年(令和2年)11月27日午前7時ごろ、岩手県奥州市胆沢(いさわ)若柳に住む千田仁利(まさとし)さん(当時26歳)が自宅を出たまま行方不明になった。

千田さんは両親と3人暮らし。行方不明になる数日前から不眠の症状があったため、26日15時30分にかかりつけの精神科クリニックを受診。いつもと違う薬を処方された。19時ごろ処方された薬を飲みしばらく休んだ後、両親と一緒に買い物に出かけた。

帰宅後の翌27日午前1時ごろ、両親は千田さんがいなくなっていることに気づき、周辺を捜索したが発見できなかったため、午前2時30分ごろ警察に連絡。午前4時半ごろに発見された。発見時、千田さんは裸足で歩いていたという。

両親は千田さんを2階で休ませ、家を出ることのないよう1階の台所で監視していたが、いつの間にか眠ってしまった。朝7時ごろ、別居している次男からの電話で起き、再び千田さんがいなくなっていることに気づいたという。




千田さんは心身ともに疲れ切っていた。


自分自身がコントロールできなくなり、浮き沈みが激しい日が続いた。


とても苦しい日々だったが、千田さんが1番心を痛めていたことは家族に迷惑をかけている事だった。


特に母には、心配と苦労をかけっぱなしだと思った。


このままじゃいけない、なんとかしたい。


その気持ちはあるものの、どうしていいか分からなかった。


とにかくこの状況から逃げたかった。


大好きな母が怒ったり泣いたりするのはもう見たくない。


自分さえいなくなれば解決するのではないか。


そう思い込んでしまい、失踪してしまった。


失踪してからもいつも母を想っている。


今は精神的に落ち着かない環境にいるため

生存の可能性はあるものの、不安定な生活をしている。