1996年(平成8年)9月9日午後4時39分、東京都葛飾区金町4丁目の金町消防署に「家が燃えている」との119番通報が入った。火事になったのは、葛飾区柴又3丁目の会社員・小林賢二さん宅。通報したのは小林さん宅の隣の住人だった。火は約2時間後に消し止められ、消防隊員が木造2階モルタル造りの2階を調べたところ、両親の寝室で倒れている次女の順子さん(当時21歳)を発見、病院に搬送したが死亡が確認された。順子さんの死因は火災によるものではなく失血死と判明した。



犯人は強盗の前科があった人物。


当日もいつものように強盗目的で現場をうろついていた。


たまたま鍵のかかっていない家を見つけ、そっと忍び込んだ。


人の気配がなかったため、安心しきった犯人は1階を物色しはじめる。


油断していた犯人は、順子さんが近づいたことに気づかなかった。


賢い順子さんはすぐに強盗だと判断し、助けを呼ぼうとしているところを犯人に見つかってしまう。


それでも順子さんは、


お金は持って行っていいから今すぐ出ていって。

このままではあなたにも不利になってしまう。


と、冷静に犯人を諭した。


しかし予想外のことが起きた犯人は完全にパニックになっていた。


今までうまくいっていたのに、見つかってしまった!顔を見られてしまった!もうおしまいだ。


そう思った犯人は順子さんを刃物で脅した。


家の中を逃げ回る順子さん、後を追う犯人。


ついに順子さんを追い詰め、無我夢中で刃物を突き刺しさつがいしてしまう。


犯人はパニックになったまま、なんとかしなければと考えた。


全て燃えてしまえばバレないだろう。そして火をつけ、慌てて逃げた。


何度か現場に戻り自首しようか迷っていたが、容疑にかからなかったためそのまま逃走。


犯人は今でも事件のことを思うと胸が痛むが、遠く離れた場所で生きている。