2012年3月30日午前10時30分ごろ、宮城県岩沼市梶橋に住む長田クニ子さん(当時65歳)宅の玄関前に血痕があるのを公共料金の徴収に訪れた男性が見つけ、110番通報した。警察が室内を確認したところ、長田さんは玄関の内側に座り込むような姿勢で靴箱にもたれかかって亡くなっていた。現場の状況から警察は殺人事件と断定、捜査を開始した。

発見当時、玄関には鍵が掛かっていた。玄関以外に争った形跡はなかったことから、殺害現場は玄関とされている。長田さんの死因は出血死。首の正面と右側に刃物で切られたような約5センチ以上の幅のある傷が複数あり、動脈に達している深い傷が致命傷となった。両手の甲にも抵抗した際にできたとみられる傷があった。凶器は鋭利な刃物と見られるが、長田さん宅の台所には刃物が残されていたことから、犯人が持ち込んだものとみられている。




長田さんはトラブルに巻き込まれていた。


困っているところに、知恵を貸して助けてくれる男性が現れた。


それがこの事件の犯人。


長田さんは見返りにお金を渡していた。


困ったことがあるたびに、犯人に相談する。そしてお金を渡すことを繰り返していた。


契約こそしていないものの、依頼人と請負人の関係が出来上がった。


犯人はお金のない長田さんを不憫に思い、支払いを待ってあげることもあった。


長田さんはその好意に何度も甘えた。


支払いが滞り、催促したがかわされた。犯人は痺れを切らして長田さん宅を訪問した。


何度行っても支払ってもらえず、今回は軽く脅すつもりで刃物を持っていくことにした。


やはり支払う素振りは見せず、これからも払えるかどうか分からない…


犯人は怒った。


今までの好意を無下にされた気がした。刃物に手を伸ばし、夢中で振り下ろした。


気づくと長田さんは倒れていた。


犯人は周りからの信頼が厚い人物で、今も生存している。