1983.8.14午後13時40分頃、北海道中標津町養老牛温泉にある、
野外スポーツ林コースで、家族と遊びに来ていた根室市の諏訪大くん(当時7)が行方不明になった。
 大くんは、母親と妹とともに14日、母親5人、子供10人のグループで 車3台に分乗し、
弟子屈町川湯に行く途中、フィールドアスレチックコース で遊ぼうと、同スポーツ林に立ち寄った。 
駐車場には母親一人が残り、子供たちと残りの親はアスレチックコースへ向かう。 
大くんは前から3人目だったが、先頭の一人が腹痛を訴えたため、
前を行く2人は駐車場に引き返し、残っていた母親の車に乗って
約2キロ離れた養老牛温泉のトイレに向かった。 
その後、他の遊んでいた母親と子供たちが駐車場に帰ってきため、
車2台に乗って同温泉へ戻り、落ち合ったところ大くんの姿が無かった。
慌ててアスレチックコースに戻ったが大くんの姿は見つからず、
警察・消防による捜索でも発見することは出来なかった。



大くんはとても聞き分けのいい、しっかりした子だった。


大人のいいつけはきちんと守るし、それが当然のことと思っていた。


楽しく遊んでいた当日、ハプニングが起こり大人たちがバタバタしていた。


「大くんはしっかりしているから大丈夫。少し離れるけど駐車場に戻ってきてね」


そう言われ大人の目から離れると、少しやんちゃなことをしたくなってきた。


ちょっとだけ冒険しよう、それから駐車場に戻ればいい。


大くんは1人で気ままに行動することが楽しくなってしまった。


いけない、そろそろ戻らないと!


急いで駐車場に行くと車が一台もなかった。


焦った大くんは、あちこち探し回るも誰もいない。


これからどこへ行くんだっけ、どの道だっけ。

それとも戻った方がいいかな。待っていた方がいいかな。誰も僕のことを気づいてくれなかったらどうしよう。


じっとして考えているとどんどん不安になってきた。


とにかくみんなを探すことにしたものの


歩き回っているうちに、自分がどこにいるのか分からなくなってしまった。


不安な心が押しつぶされそうになりながら、お母さんを探し求めた。