2008年2月11日午前8時ごろ、北海道伊達市幌美内町の知的障害者総合支援施設「太陽の園」に入所する砂浜佳祐さん (当時16歳)の行方が分からなくなった。

佳祐さんは行方不明となる前日の2月10日午前11時50分ごろ、胆振管内白老町の自宅に電話し、母親に「苦小牧のゲームセンターに行きたい」と話した。この時、母親は佳祐さんに「迎えに行けないから」と返事をした。母親によると、その時の佳祐さんの様子は「こちらの言うことを聞いていないようで、いつもと感じが違った」という。

その後、佳祐さんは施設を抜け出したが、約1時間後に国道37号を苦小牧方向に歩いているところを職員が発見し、連れ戻した。しかし佳祐さんは翌11日に施設内でトイレに行くところを目撃されたのを最後に行方が分からなくなった。再び施設を抜け出したものとみられる。施設の総務部長によると、「前日に連れ帰った後は外に出たがる様子もなく、前兆とは思えなかった」という。

同日午後9時ごろに施設から室蘭市方向へ約9キロ離れた南稀府町の採石場付近で稀府岳方面に向かう佳祐さんに似た子を見たとの情報があったが、手がかりは見つかっていない。その後の調べで稀府岳の斜面を流れる牛舎川を沢伝いに降りていく場所に足跡が見つかったが、佳祐さんのものかどうかは確認できなかった。

施設の玄関は無施錠で出入りは自由だったが、佳祐さんはこれまで勝手に抜け出すことはなかったという。佳祐さんは2006年10月に入所し、スクールバスで室蘭市内の養護学校に通っていた。1月に伊達市内の高等養護学校を受験し、行方不明になった2日後の2月13日には合格の知らせが届いていた。

佳祐さんは身長161センチ、体重48キロの痩せ型。髪はストレートで鼻の下まで伸びている。額に2センチくらいのうすい傷があるが、よく見ないとわからない。当時の服装は上が黒色のジャージ、下が黒色のズボン。紺色のスニーカーを履いていた。言葉の受け答えに多少難があるが、会話は可能だという。




佳祐さんはお母さんのことが大好きで、もっと甘えたい、かまってほしいという欲が強かった。


辛いことも多く、我慢の毎日だった。


その日も、自宅に帰るつもりで施設を出発した。


何度も通った道だからきっと大丈夫。迷わずに行けるはず。


1人で外に出ると開放的な気分になり、日頃の憂鬱も吹き飛ぶようだった。


しかしそれもすぐに不安に変わる。


意気揚々と向かった先で、道が途切れていた。


たしかにこの道だったはずなのに…。


周りを見ると、見知らぬ景色だった。


そこで佳祐さんはパニックになってしまう。


分からないながらも、とにかく歩みを進めた。


知っている道を探したがどこにもない。


助けてくれる人もいないまま、一人で突き進んだ。


北海道内にはいるが道を間違えたため、佳祐さんはなかなか見つからない場所にいる。