THE MATSUI
《松井》ミズナラ カスク
 
SINGLE MALT
JAPANESE WHISKY
MIZUNARA CASK
 
産地:日本 鳥取県
原料:モルト
容量:200ml
アルコール:48%
樽構成:ミズナラカスク
希望小売価格:200ml / 1,360円  ;  700ml / 4,500円
 
 
色:昆布出汁色
トップノート:3
アタック:2.5
香り:針葉樹林、レザー、リコリス、バニラ
味わい:ハチミツ、生麦、森林、アニス、ジュニパーベリー
アルコール感:3
ピート感:2
 
 
 
総評:3.3
 
 
 
■ 倉吉蒸溜所について
 
倉吉蒸留所は東西に細長い鳥取県のちょうど真ん中にあり、日本100名山・大山(ダイセン・1709m)の麓にも位置する自然豊かなロケーションの蒸留所になります。
蒸留所設立は2015年で、実際にポットスチルを整えてスピリッツを蒸留したのが2019年になるようです。
なのでようやく5年物のシングルモルトが登場するのではないかなと思っています。
 
 
■  テイスティングノート
 
香り立ちは針葉樹のような松の葉の香り。
蒸留過程のフェインツに現れるレザー感や書庫のようなドライ香。
ゴム感もあります。
奥の奥にバニラのような甘みがあるような気がします。アルコール48%のわりにはアタックはさほど感じませんね。
正直、芳香で期待値の上がるウイスキーではありません。
 
味わいは滑らかなテクスチャでファーストタッチはハチミツの甘み。
生麦のような穀物の甘み。
香りに出ている生木感が味わいにも出てきていて、鼻にも抜けていけば青々とした森林感が感じられます。
スパイスはアニスやジュニパーベリーを思わすさっぱり感や酸味感が、これまた後味まで引きずります。
甘ったるい喉ごしもあり、飲みごたえの満足度は高めです。
 
 
 
■  シングルモルト松井の考察
 
松井ウイスキーの前評判は何も調べませんでしたが、それでもジャパニーズウイスキー問題に一石を投じた当事者であることは知っていました。
輸入バルクウイスキーをブレンドしても『ジャパニーズ』を名乗って良いのか問題ですよね。
しかし、日本の食品加工の法律では原料でなく加工品は原産国表記をせず加工国の表記が認められるものですから何ら問題はなかった結論でしたっけ?まあどっちでも良いんですけど。
あと諸々松井さんには何かあった気がしましたがいつの話しとんねんって突っ込まれそうなのでどうでも良いですよだれ
 
 
さて、この松井シングルモルトですが、テイスティングノートにも記した通りで、結構珍しい仕上げをしてるなと思いました。というより、熟成が全然足りてません!
それが生木の表現であり、昆布だし色の表現です。スパイスも刺々しさがあります。
 
しかしながら、味わってみると意外にこれはこれで「うまい」ではないか。熟成が未熟なだけでベースの酒質はかなり優秀だし、なんと言ってもブレンドの腕は良いと思います。
香りで期待値が上がらないと書き記してて、味わう前にエグミ炸裂してたら庭に捨てるしかないなと妄想し、いざ味わってみるとしっかりしたシングルモルトウイスキーだったのはいささかの感動をしました。
 
ところでこの《松井》シングルモルトのネーミングは完全に間違っちゃいましたよね無気力はてなマーク
シングルモルトは蒸溜所名を名付けるのが定石なので、ブレンデッドウイスキーに創業者の名前をつけるべきでした。とりあえず、『MATSUI WHISKY』『Made in JAPANE』の表記をノンチルとノーカラーに変えるべきですね。《松井》ウイスキーのアイデンティティはそこにこだわるべきではないと思います。
 
熟成すればさらに化けるウイスキーだと思いますので、10年か12年のシングルモルト《松井》の登場を待っています。