THE MACALLAN
12 YEARS OLD
SHERRY OAK CASK
 
HIGHLAND SINGLE MALT
SCOTCH WHISKY
 
NATURAL COLOUR
 
産地:スコットランド ハイランド地区
原料:モルト
容量:700ml
アルコール:40%
樽構成:シェリーオーク樽
希望小売価格:700ml / 9950円
 
 
色:茶褐色
トップノート:3
アタック:3
香り:ミツロウ、アプリコット、ウッディ、フィンネル
味わい:ハチミツ、シェリー、スパイシー、紅茶
アルコール感:3
ピート感:0
 
 
 
総評:3.4 / 5
 
 
 
■ ザ・マッカランについて
 
ザ・マッカランといえばシェリー樽熟成にポリシーを持つメーカーで有名ですね。
そのこだわりを持って自社でシェリー樽の製造まで行っています。
以下シェリー樽熟成についてと、マッカランのシェリーカスクのこだわりについて簡単にまとめてみました。
 
・そもそも本物のシェリー樽は使わない
シェリー酒とは不活性化させたアメリカンオーク樽にソレラシステムという再使用工法により100年近く樽を活用するので、ウイスキーのシェリーカスクは実際は本物のシェリー樽ではない。
 
・シェリーカスクの誕生は偶然の産物
シェリー酒はスコットランドやアイルランドに輸出する際に、輸送用樽として安価なヨーロピアンオークの新樽に詰め替えて出荷されていた。出荷先では捨てられるだけの樽をウイスキー保存用に利用したところ、まだまだ新鮮な樽の成分浸出でシェリーの甘さがプラスされ、より熟成が進んだことによりシェリーカスクのウイスキーが誕生した。
 
・シェリー製造業者によるシェリー樽が無くなった
スペインの法律が変わりシェリー酒は瓶詰にして輸出することが決まったので、もう輸出用シェリー樽が手に入らなくなったスコッチ、アイリッシュメーカーは、ヨーロピアンオークをスペインで調達し樽製造をし、その後へレスに送りシェリー樽を造ってもらうようになった。
工程は発酵果汁を入れてその後にオロロソシェリーを詰めシーズニング加工で仕上げている。(フィノシェリーカスクは本物のソレラシステムの廃棄樽を活用)
全工程にかかる費用は一樽25万円前後になる。
 
・マッカランのシェリー樽のこだわりはスコッチ界一
ザ・マッカランではシーズニングシェリー樽にヨーロピアンオークも使っていたが、本格シェリー樽の素材であるアメリカンオークも使用している。そのため他社のシェリーカスクとは味わいが違い、マッカランの年代によっても微妙に味わいが変わってくる。マッカランの「シェリーカスク」の表記がある商品は全てファーストフィル原酒が使われている。
 
 
 
■  テイスティングノート
 
香り立ちはミツロウの硬くオイリーな甘み。
スワリングを施してアプリコットのような重めのフルーティーさ。
シェリー感はさほどなく、樽香によるフィンネル香と熟成感があるのが感じられます。
アタックは若干感じますね。
正直、期待値の上がる香りではありませんでした。
 
味わいは口当たり滑らか。
ファーストタッチはハチミツの甘み。
それとともにシェリー樽由来の若干のエグミが顔を覗きます。
スッキリしたスパイシーさは柔らかくもあり、シュガーシロップの薄口の甘みが熟成香とともに渋さを含んで余韻として残ります。
 
 
 
■  マッカラン12年シェリーオークカスクの考察
 
なるほど、エグミとは普通は嫌味に感じるものですが、それを特徴として時にクセになる味わいとして昇華させたのがマッカランブレンドの極みなのかなと思わせます。
 
飲み進めていくと香りのスパイスは強くなっていき、フィンネル香の強さが立ってきます。
これは最後にグラスに残るウイスキー香のそれなんですが、特に粉状のようなフィンネルの鼻を刺すようなスパイシーさが立っているようでした。
 
うーん、マッカラン。
ポテンシャルはこんな感じか。
求めていたのはもっとどっしりシェリーでしたが、スピリッツが弱い感じがしました。
 
 
■ マッカラン12年の入手先
 
今回、巷では手に入りにくいマッカラン12年をテイスティングしたわけですが、これは東京にいる大先輩から試飲として送ってもらいました。
結構何種類か送ってもらえたのでテイスティングノートをしたためた後、ご当地銘菓でも添えてお返ししたいと思います。
「ままどおる」と「家伝ゆべし」と「薄皮饅頭」でいいべ指差し音譜