※画像は公式ホームページから
NIKKA
COFFEY GRAIN
WHISKY
産地:日本 宮城県
原料:グレーン、モルト
容量:15ml
アルコール:45%
希望小売価格:700ml / 6000円
色:琥珀色
トップノート:2
アタック:1
香り:ハチミツ、クルミオイル、バニラ
味わい:シルキー、蜂蜜、新材木、タイム、ホワイトペッパー
アルコール感:3
ピート感:1
総評:2.8
■ ニッカカフェグレーンについて
グレーンウイスキーとモルトウイスキーとの違いは原料と蒸留方法とだけ思えばいいかなと思います。
しかしウイスキーの原料は大別して「穀物」となってますので、スコッチグレーンでは大麦麦芽のモルトを原料に使います。
アメリカではトウモロコシ、カナダはライ麦、アイルランドは小麦が主に使用され、日本では米や蕎麦などの変わり種グレーンウイスキーも開発されていますね。
原料にモルト100%を使ってもグレーンウイスキーになるのは、蒸留方法にポットスチルではなく連続式蒸留機を使用するからですね。
ポットスチルで出来た蒸留酒をニューポット、連続式蒸留機で出来た蒸留酒をニューメイクと呼ぶみたいですね。
ニッカでは1830年頃に開発された初期の連続式蒸留機(カフェ式)を今でも現役で2基稼働させており、最新鋭の蒸留機に比べて穀物の持つ風味や香味があまり損なわれないのが特徴みたいですね。
■ テイスティングノート
香り立ちはかなり弱めで薄いハチミツような甘み。
アタックもほとんど無く、スメルテイスティングが非常に難しいですね。
若干ミンティさのニュアンスもあります。
これが熟成のものなのかも判断が難しいです。
味わいは口当たり滑らか、ファーストタッチは薄めのハチミツの甘み。
新材木のエグミが若干奥から顔を出します。
そこまで嫌みなほどではないですね。
スパイスはタイムやペッパーのようなスカッとした清涼感を伴うもの。
余韻は徐々に甘みとエグミが盛り上がり、渋みや辛味が唇をしびらせ甘いコクとともにフィニッシュします。
そのエグミはそこまで嫌味というものではなく、ブレンダーがこの樽香を狙ったかのような味わいに仕上げてあります。
■ ニッカグレーンウイスキーの考察
宮城峡蒸留所で作られるニッカカフェグレーンですが、「シングル」の冠が付かないのは至る所の貯蔵ウイスキーがブレンドされているからでしょうかね。キリンやサントリーは”シングルグレーンウイスキー”がありますが、ニッカはグレーン原酒の幅が大きいので、単一蒸留所発となることはないのかもしれませんね。
ニッカは1963年に兵庫県西宮工場にカフェ式連続蒸留機を導入して、グレーンウイスキーを製造していたみたいですね。
そして1999年に宮城峡蒸留所に移設されグレーンウイスキーは宮城峡産になった経緯があります。
もちろん西宮産のカフェモルト、カフェグレーン原酒の貯蔵樽も宮城峡蒸留所にありますので、歴史から紐解くと30年以上の長熟原酒が貯蔵されているみたいですよ。
ニッカには現在2つの蒸留所と6つの工場があり、弘前工場はリンゴ飲料、栃木工場は貯蔵、柏工場はパッケージング、西宮工場は缶チューハイ、門司(もじ)工場は本格焼酎、さつま司蒸留蔵は芋焼酎が各工場の主な業務となっています。
特に近年では福岡県北九州市にある門司工場と、鹿児島県加治木町にあるさつま司蒸留蔵は焼酎を蒸留しているだけあって、ここでもグレーンウイスキーが製造を始めたみたいですね。
門司工場では未発芽の大麦を使用し、ステンレスの単式蒸留機で間接加熱方式による蒸留がされているみたいです。
さつま司蒸留蔵では大麦、コーン、ライ麦を原料としアメリカンオーク材の新樽にて貯蔵してることから、バーボンウイスキーを彷彿とされる原酒造りをしているんですね。
国産グレーンウイスキーの未来に期待が持てますね。