三郎丸 Ⅱ ーSABUROMARUー
THE HIGH PRIESTESS
SINGLE MALT
JAPANESE WHISKY
産地:日本
原料:モルト
容量:30ml
アルコール:48%
樽構成:
小売価格:700ml / 税抜12500円
色:金色
トップノート:2.5
アタック:4
香り:フランスパン、りんご、タバコ、クルミオイル、バニラ
味わい:ハチミツ、モルティ、シェリー渋み、スパイシー
アルコール感:3.5
ピート感:4
総評:3.7
■ 三郎丸蒸留所について
若鶴酒造の三郎丸蒸留所は、砺波市三郎丸地区にあります。
砺波(となみ)蒸留所でも良かったのかもしれませんが、地元に全振りしたネーミングにはひとしおの思いがあるんでしょうかね。
若鶴酒造の創業は1862年で、太平洋戦争後に2代目社長の稲垣小太郎がアルコールの研究に投資。
稲垣の死後7年経ってようやくウイスキー製造に着手したみたいですね。
2017年には細々と続けていたウイスキー製造も、ブームの継続性や世界的なウイスキー特需にあやかって、完全新規の三郎丸蒸留所として再出発をしたわけなんですね。
■ テイスティングノート
香り立ちはフランスパンのような麦芽香が先に立ちのぼります。
赤りんごのような甘みに消しタバコの残り香が複雑に絡み合います。
立ち消えはフランスパンとアルコール感で、スモーキーさが印象的。
味わいはアニスシードのピリッとしたスパイシーさが先行。
口当たりは焦げたベーコンのざらつきと甘み。
樽のエグミが若干感じられましたが、すぐに消えます。
スパイスと甘みのコクが口中に広がり、余韻として長く残ります。
ホワイトペッパーのような強烈な刺激でフィニッシュします。
■ シングルモルト三郎丸の考察
昨今のジャパニーズウイスキーにおいてかなり特徴的な酒質をしていますね。
アイラウイスキーのようなスモーキーさもあり、それでいて甘み立ちはドライでスパイシーであるため、日本では似たようなウイスキーを探すのが困難だと思います。
2017年に三郎丸蒸留所は新しくなりましたが、それは設備も同じで、マッシュタンやポットスチル、貯蔵庫、木桶発酵槽なども刷新してゼロベースでの原酒造りに取り組んだみたいですね。
中でもポットスチルは鋳物製で、梵鐘と同じ造りの世界で唯一の蒸留器を使用しています。三郎丸の酒質の重厚さはここからきているんですね。
貯蔵庫は3段ダンネージ式ですが、写真で見る限りコンクリ床のようです。
熟成樽の使用もバーボン樽、シェリー樽、赤ワイン樽、ミズナラ樽、スペイン産オーク樽と多種多様にわたり、トースティングをじっくり施す焙煎樽などの開発や研究にも余念がない様子です。
上でアイラウイスキーのようなと言いましたが、ピートはアイラ島のものを使用しているとホームページにありました。
情報を排除してテイスティングをしていますので、なんとまあ自分の味覚の成長ぶりに少し自信が持てましたね。
シングルモルト三郎丸はボトルで手に入れることは至難の業ですので、バーで飲むか量り売りか、また他のブレンデッド商品などをテイスティングしていこうと思います。