SIGNATORY VINTAGE
MORTLACH 2009
12 YEARS OLD
 
SPEYSIDE SINGLE MALT
SCOTCH WHISKY
 
UN-CHILLFILTERED
NATURAL COLOUR
 
産地:スコットランド スペイサイド地区
原料:モルト
容量:45ml
アルコール:46%
蒸溜年月日:2009年12月10日
瓶詰年月日:2022年4月19日
樽構成:3種ホッグスヘッド
市場価格:700ml / 7000円
 
 
色:極薄金色
トップノート:3.5
アタック:2
香り:バニラ、モルティ、レザー、サイダー、リコリス
味わい:シュガーシロップ、モルティ、スパイシー
アルコール感:3
ピート感:0
 
 
 
総評:3.8
 
 
 
■ シグナトリーヴィンテージについて
 
シグナトリーヴィンテージ社は1988年にエジンバラで設立された独立系ボトラーメーカーになります。
創業者はエジンバラでプレストンフィールドハウスホテルを営んでいたアンドリュー・サイミントン氏。
2002年にはペルノリカールからエドラダワー蒸留所を買い取り、ここに瓶詰工場や農場など新設し、本社機能をエジンバラからバースシャーに移転したみたいですね。
 
 

 
 
■  テイスティングノート
 
香り立ちはバニラエッセンスの芳香。
麦芽の甘み立ち。
サイダーのような清涼さ。
フェインツ香のほのかにレザー。
ドライだが立ち消えもなく、まとまりある芳醇さが漂います。
嗅いで嗜めるウイスキーに仕上げられていますね。
 
味わいは口当たり滑らか。
ファーストタッチはシュガーシロップの甘み。
樽由来のスパイスはジュニパーベリーやナツメグのような酸味や清涼感あるスパイシーさ。
レザー感も中盤から押し寄せ余韻まで長く残ります。鼻に抜けるアルコールには熟成の証も感じられます。
 
 
 
■  モートラック蒸留所について
 
シュガーシロップの甘みに酸味感や清涼感が伴うなど、なかなか唯一無二の酒質だなと感じます。
そこでモートラック蒸留所の原酒製造を考察したいと思います。
 
・製麦/モルティング
 
フロアモルティングは1968年に止め、北スペイサイド産の大麦麦芽を購入。
スコットランドの蒸留所の中では珍しくかなり粗く粉砕されたモルトを使用。
 
・糖化/マッシング
 
ステンレス製のマッシュタンは粉砕麦芽のグリストと水が最大で12トン。
 
・糖化/ファーメンテーション
 
オレゴンパイン(米松)製の発酵槽は6基あり、5万4千リットルの容量があり50~60時間の発酵でスパイシーに仕上げています。
 
・蒸留/ディスティレーション
 
大きさがバラバラのポットスチルが6基あり、3基はウォッシュスチル、残りはスピリッツスチルで、ハイランドでは珍しい3回蒸留を行っています。この蒸留工程が複雑で2回蒸留と3回蒸留分の蒸留酒をブレンドし「2.81回」蒸留したスピリッツが完成されるわけですね。その3回目の蒸留には小さな魔女と呼ばれるポットスチル「ウィーウィッチ」で行われます。
冷却にはカラマツ製の昔ながらのワームタブに送られるため、酒質は柔らかくならずにスパイシーな原酒に仕上がることから、「ダフタウンの野獣」と呼ばれているみたいですね。
 
・熟成/マチュレーション
 
主にシェリー樽がメインで、熟成庫は土床のダンネージスタイル。
 
 
 
■ おわりに
 
なるほど、なるほど。
上記で唯一無二の酒質と感じたのは、この製造工程を見る限りあながち間違っていなかったですね。
しかし色んな製造方法を考えるものですね。
ジャパニーズウイスキーでもサントリーとニッカが独特な特徴を持つ酒質をしているのは、両社が他にはない製造工程を踏んでいるからですもんね。
 
モートラックはもともと16年がメインでしたが、2009年に12年をリリースしたみたいですね。
前菜が美味しい事は分かったので、こんどはメインディッシュの16年を頂こうかなと思います。