ARDBEG
WEE BEASTIE
GUARANTEED 5 YEARS OLD
ISLAY SINGLE MALT
SCOTCH WHISKY
NON CHILL-FILTERED
産地:スコットランド アイラ島
原料:モルト
容量:100ml
アルコール:47.4%
樽構成:バーボン樽、オロロソシェリー樽
市場小売価格:700ml / 4500円
色:琥珀色
トップノート:5
アタック:3
香り:ベーコン、食パン、病院、たばこ、牡蠣
味わい:スモーキー、ピート、ベーコン、ペッパー、ハチミツ
アルコール感:3
ピート感:5
総評:3.5
■ アードベッグ蒸留所について
アイラ島には”アイラモルトの王”「ラフロイグ」、”アイラモルトの女王”「ボウモア」、”アイラモルトの巨人”「ラガヴーリン」、そして「アードベッグ」といえば”究極のアイラモルト”としてその地位を確立していますね。
アードベッグは1815年にジョン・マクドゥーガル氏がライセンスを取得した蒸留所になります。
それ以前から創業はされていましたが、違法操業時代なので一切の記録とかはないみたいですね。これはスコッチの老舗蒸留所全般に言える事なので、蒸留ライセンス取得年を創業表記したり、何かしらの記録をもとに創業年にしたりしてるみたいですよね。
アードベッグは1838年に倒産し、それから幾度か倒産や閉鎖を繰り返したみたいですね。
1970年にアライドディスティラーズ社が運営者になり、1981年から1989年は完全閉鎖。そして年に2か月という短い期間だけ蒸留をするほぼ閉業状態の活動をしていたみたいです。
そして1997年にグレンモーレンジィ社が買収し、完全復活をしていったみたいです。ここは公式ホームページのアードベッグ史にも記載されていますので、グレンモーレンジィの救世主ぶりが伺えます。
2004年にはそのグレンモーレンジィがモエヘネシーに買収されたので、アードベッグもモエヘネシーディアジオの傘下企業になってます。
今現在リリースされている熟成原酒は、1997年の新体制になってからの原酒のみしか使わないというポリシーがあるみたいなので、近年リリースされたアードベッグ25年はちょうどその熟成を迎えたウイスキーってことなんですね。
■ テイスティングノート
香り立ちはふくよかな食パンやベーコンの甘み。これは大麦麦芽が強く出ていると思います。
病院や正露丸の香りに牡蠣のようなミルキーな甘みも加わります。
5年熟成ですが意外にもアタックは感じませんでした。
味わいは口当たり滑らか。
ファーストタッチはピートのスパイスにベーコンの甘み。
コショウのような鋭いスパイシーさと、スモーキーさが鼻を駆け抜けます。
喉を温めるほどのアルコール感が中盤から押し寄せ余韻まで長く残ります。
甘味は独特で香りにある蒸された牡蠣の風味漂い、ピートと合わさりミーティさが出ていますね。
■ アードベッグウィービースティーについて
アードベッグ ウィー・ビースティーは日本では2020年7月14日にアードベッグのスタンダード品として新発売しました。
ウィー・ビースティーとはスコットランド語で「手の付けられない小さいモンスター」の意味みたいですね。それくらいインパクトのあるウイスキーに仕上がっています。なのでボトルにもわざわざ”A MONSTER OF A DRAM”の文言が入ってるんですね。
※画像は公式ホームページから
余談ですが、本国でウィー・ビースティーの発表があったのが2020年3月で、その翌月にアードベッグがEU知的財産庁に異議申し立てていた案件が結審されました。
その内容とはリヒテンシュタイン公国在住の起業家が2018年に「Arlberg Whisky」を商標出願したことから問題が発生したみたいですね。ちなみに読みは「アールバーグ」と読みます。
「Arlberg」と「Ardbeg」って読みは違ってもスペルはパッと見似てますよね。
これを大文字にすると「ARLBERG」と「ARDBEG」なんですが、小文字よりはまだいいですかね。
判決では「聴覚的に酷似している。視覚的に平均以上に酷似している」との結論からアードベッグの勝利になったわけです。
日本でも商標登録だけでお金儲けをする人がいますが、海外にも人のふんどしで相撲を取る人っているんですね( ´艸`)
■ ウィー・ビースティー5年の考察
アードベッグではブリニ―さにこだわりは全くなく、むしろ雑味など余分なアルコール感を飛ばした酒質に樽熟成でスモークやスパイスや濃厚な甘みを加えた仕上がりのウイスキー造りをしているみたいですよ。
その指針のお手本ともいうべき味わいがこのウィービースティー5年だろうと感じました。
これはけっこうレベル高いですね。
値段が値段だけにボトル買いしてもいいかもしれませんね。