BUSHMILLS
AGED 10 YEARS
 
SINGLE MALT
IRISH WHISKEY
 
産地:アイルランド
原料:モルト
容量:100ml
アルコール:40%
樽構成:バーボン樽、オロロソシェリー樽
希望小売価格:700ml / 3300円
 
 
色:赤みある金色
トップノート:2
アタック:2
香り:シトラス、酢酸ビニル、グリーンガム、バニラ
味わい:ハチミツ水、ホワイトペッパー、酢酸ビニル
アルコール感:3
ピート感:0
 
 
 
総評:3.3
 
 
 
■ オールド・ブッシュミルズ蒸留所について
 
アイルランドのブッシュミル地区に入植した地主にウイスキー蒸留の王室公認が授けられたのが1608年のこと。
これは世界最古という記録になってるみたいです。
この地主の土地にブッシュミルズ蒸留所としてヒューアンダーソンが興したのが1784年になります。
オールド・ブッシュミルズは地区のウイスキー製造の歴史を代表して「1608年」を掲げているという事なんですね。
 
 

 
1885年に蒸留所は全焼しましたが、すぐに再建されそれからは一度も閉鎖されずに今に至るという事です。
1988年にペルノリカールに買収され、2005年にはディアジオに買収されました。
そのディアジオは2014年にメキシコ酒造大手のホセクエルボにブランド交換という駒にブッシュミルズを出し、売り払われたみたいですね。
 
 
■  テイスティングノート
 
香り立ちはかなり独特でシトラス系の芳香。
酢酸ビニルの科学的な芳香。
グリーンガムの爽やかな芳香。
全体的にドライで奥にバニラの香りが漂います。
10年という熟成も相まってアタックはかなり和らいでます。
 
口当たりは滑らか。
ファーストタッチは薄めのハチミツ水の甘み。
スパイスはホワイトペッパーのような刺激が中盤から押し寄せ余韻までには立ち消え。
酢酸ビニルのような科学的な香味で曖昧にフィニッシュ。
 
 
 
■  ブッシュミルズ10年の考察

 

アイルランドでは1850年代に麦芽税が課せられ、アイルランドのウイスキーは極端に大麦麦芽が使われない時代になりました。
しかしブッシュミルズ蒸留所では当時から100%大麦麦芽にこだわり、それがアイルランドでも唯一の長期熟成シングルモルトが生み出されるアイルランドスピリッツの賜物になっているんですね。
アイリッシュ伝統の3回蒸留には、ストレートネックの小ぶりなポットスチルに上向きのラインアームが付き、ここで香味豊かなミディアムボディの酒質が得られてるんですね。
 
アイリッシュウイスキーは飲み込んでいくうちにオイリーで辛味が目立つなど、コクの薄さをカバーする意味でもカクテルベースウイスキーな感覚ですが、100%モルトにこだわりを持つブッシュミルズだからこそアイリッシュウイスキーの面目はここで立ってるのかなと思いました。
 
数々の賞を受賞するブッシュミルズ。
ウイスキーの熟成ピークでもある16年前後、ブッシュミルズ16年をぜひテイスティングしたいなと思います。