※画像は公式ホームページから
 
THE GLENLIVET
YEARS 18 OF AGE
 
SINGLE MALT
SCOTCH WHISKY
 
産地:スコットランド ハイランド地区
原料:モルト
容量:30ml
アルコール:40%
樽構成:1st-fill、2nd-fillのアメリカンオーク樽、シェリー樽
希望小売価格:700ml / 10800円
 
 
色:茶褐色
トップノート:3.5
アタック:2
香り:レーズン、りんごのコンポート、トフィー
味わい:オイリー、トフィー、ビターチョコ、ハチミツ、スパイシー
アルコール感:2
ピート感:0
 
 
 
総評:3.5
 
 
 
■ ザ・グレンリベットについて
 
ザ・グレンリベットは世界最大のワインスピリッツメーカー「ペルノ・リカール」のグループ傘下です。なのでペルノリカールが所有するブレンデッドウイスキーの「シーバスリーガル」や「ロイヤルサルート」のキーモルトになっています。そしてグレンリベットのシングルモルトのボトリングも原酒を保有するシーバスリーガルがそのまま担当しているみたいですね。
 

 
 
 
■ シングルモルトの原点であるプライド
 
※画像は公式ホームページから抜粋
 
ザ・グレンリベットの公式ホームページを見ると分かりますが、「はじまりのシングルモルト」と銘打つだけあってかなり事細かな製造過程を解説していますね。ユーザーとしてはとても好印象ですし、ウイスキーのベースはみな一緒というだけあって、味わいはどこで違ってくるのかという研究やその解説が、グレンリベットのホームページにて完結できると言ってもいいくらい分かりやすく簡潔にまとめています。ウイスキー初心者も玄人も一度はご一読してみてください。
 
 
 
■  テイスティングノート
 
香り立ちはレーズンかりんごのコンポートのような甘い熟成香。樽の香ばしいトフィー感の芳醇さが漂います。始めのフルーティーさは立ち消えになり、樽のかぐわしい香ばしさに変わりますね。18年の熟成も相まってアタックはほぼありません。
しかしながらよくある12年くらいのウイスキー香で、18年かどうかをこの香りだけで利き酒出来る人は少ないかもしれません。
 
味わいは舌触りオイリー感があり、トフィー感香ばしくチョコのような甘み。オイリー質でクリームのような甘みなので、特徴的にはナッティな味わいも表れています。
樽由来のスパイスはナツメグのような甘みや苦味あるミント感が中盤から押し寄せます。
余韻はさすがに18年の熟成香が心地よく鼻を抜け、甘みと痺れるスパイスでフィニッシュ。
 
 
 
■  長期熟成ウイスキーの考察
 
ウイスキーは12年物でメーカーのフレーバーとテイストを表す指標ともいえるものです。
そして18年物のウイスキーとはメーカーの精神がカタチとなったもので、18年超の味わいは余韻で分からせるメーカーの歩みがカタチとなります。
カスクストレングスでなくても加水しても長期熟成原酒をどうブレンドすればそれが伝わるのかを、ここにブレンダーの経験値として表しているのかなと思います。
 
そもそも長熟ウイスキーを知ることは必須ではありません。
なぜなら長熟になると原酒の特徴はほとんど失せ、木材の風味が味わいになってしまうというのはスコッチ界では常識だからですね。寧ろ倉庫占有料金の上乗せでおまけ程度なのですが、精神のカタチであるならば美味しくないといけないのですね。
 
ウイスキーの年数縛り、特に12年縛りはブレンデッドウイスキーが主流の時代に、シーバスリーガルやジョニーウォーカーが表記していたかららしいですね。シングルモルトウイスキーはその通念に倣ったわけですね。

しかし近年NASが登場したことにより品質の信頼性の基盤が揺らいでいるとスコッチ小売り関係者は懸念しているみたいですね。それはスコッチ法のオーク樽3年熟成がありますが、それでは熟成度は低いとみているからですね。

 

温かい地域のウイスキーは寒い地域に比べ短期間での熟成に達します。インドや台湾、アメリカなどはスコッチほど熟成させなくても早くおいしく仕上がるわけです。なので年数表記などは重要ではないのですが、寒冷地のスコッチや日本は別です。そのためスコッチのNASの流行は懐疑的とみられるわけなんですね。

 

私は流行に乗っている日本のウイスキー業界こそがこのNASにより品質面での懸念材料があると感じます。

実際に味わってみて美味しいなと感じる新興メーカーが無いと感じる経験則でもありますし、歴史の長いスコッチがそのような心配事を抱えて議論がされていることに深く感銘を受けたということもあります。

ダメな樽は捨てるか寝かすかのスコッチ精神でもですよ。

お酒なんておいしければオールオッケーなんですから、ジャパニーズウイスキーの定義縛りは果たして正解と言えるのかどうか何とも言えない所ですかね。

 
話は変わりますが、18年物が1万円ですよ?
ジャパニーズウイスキーはスコッチを模倣してるにもかかわらず、造り込みや熟度の厚さは本場には遠く及ばず、なんだか5大ウイスキーとして肩を並べるのが恐れ多い様な気もします。