響 ―HIBIKI―
BLENDER'S CHOICE
BLENDED JAPANESE WHISKY
産地:日本
原料:モルト、グレーン
容量:45ml
アルコール:43%
樽構成:ワイン樽後熟
希望小売価格:700ml / 10,000円
色:赤みある褐色
トップノート:3
アタック:2
香り:ミツロウ、リコリス、ハチミツ、ウッディ
味わい:ハチミツ、リコリス、シェリー渋み
アルコール感:3
ピート感:1
総評:3.5
■ サントリー響について
「響」はサントリーブレンデッドウイスキーの最高峰に位置付けられたウイスキーブランドです。ブレンドする原種は30種類以上に及び、最低で12年熟成、最高で30年熟成の原種から選び抜かれています。
ブレンデッドウイスキーほどメーカー独自の特徴を出すのに難しいブレンドはありません。
それは混ぜれば混ぜるほど一つの終着点に到達してしまうからです。似通った特性になる傾向がブレンデッドウイスキーなんですね。
「響」とはサントリーの顔とも言うべき、サントリーウイスキーブレンドのノウハウの集大成であるのです。
■ テイスティングノート
香り立ちの芳醇さはグレープのような深み。ミツロウのような樽からくるワクシーさが顔を出します。そして後からするウッディの香りはサントリー特有のミズナラ香が全体に漂います。若干リコリスようの樽感があり、熟成されたカスクによりアタックは和らいでます。
味わいは口当たり滑らかで苦味を伴ったハチミツようの甘みがファーストタッチ。樽由来のリコリスが中盤から押し寄せ余韻まで長く残ります。ミズナラ香と相まったリコリスの苦味とハチミツようの甘みは響が持つブレンデッドウイスキーの極みでしょう。
■ hibiki ブレンダーズチョイスの考察
香りはミズナラ香を嗜ませ、味わいで樽感のリコリスを出すのがこのブレンダーズチョイスの狙いであり特徴にしているのかなと思いました。その狙いに合わせたため長熟カスクによるブレンドとアナウンスされているのに年数表記がないのは、ワイン樽後熟には若い原酒を使用し、出したい味わいの一端に色濃い若い原酒で表現したかったのかなと思いました。
樽感を出しすぎると臭みやエグミが出るので、ブレンドの難しさは分かります。しかしそのようなエグミが一切無いことからブレンダーの技術の高さが伺い知ることが出来ました。
ある情報だと「響17年」の後継品と解説がありました。17年の終売後に同価格帯で発売されたかららしいですね。
それに17年前後の長熟カスクによるブレンドもその一端が垣間見えます。
公式ホームページでは飲食店専売品と表示されていますが、飲食店に卸している酒屋なら普通に販売しているみたいですね。
響ブレンダーズチョイスは希望小売価格が10,000円します。これを高いと見る人が大多数らしいですが、香り立ちと味わいを考察すれば、良いカスクでのブレンドがされてるのが分かると思います。
パッパッと飲みたいだけの好みであれば感性なりで優劣を付ければ良いだけかもしれませんが、テイスティングノートを付けてる人ならば香りと味わいからこの値段の妥当性が見えてくるはずです。
山崎ウイスキーを愛する人ならすぐに分かる香りに、苦味ある大人びたテイストのワイン樽の特性には十分な「嗜み」をさせてくれるウイスキーかなと思いました。
響特有の多面体の瓶のデザインがカッコいいのですが、デキャンタにするならまだ理解できます。しかし花瓶にするには寸胴のデザインはバランスが悪いので止めたほうが良いと思います。花をメインにしたいのかラベルをメインにしたいのかの曖昧さが出てしまいます。両腕にロレックスとパテックをしてるようなものです。また、食品の容器をインテリアにするのはどうしても衛生面が気になる面であり、空き缶を部屋にためる男子高校生と同じイメージもありますので気を付けたいところです。