ガイアフロー
シングルモルト日本ウイスキー
静岡 ユナイテッドS 初版
 
GAIAFLOW
SINGLE MALT JAPANESE WHISKY
SHIZUOKA UNITED S FIRST EDITION
 
 
産地:日本 静岡県
原料:モルト
容量:30ml
アルコール:50%
樽構成:1stフィルバーボンバレル、ワイン樽
希望小売価格:700ml / 税抜8,950円
 
 
色:琥珀色
トップノート:4
アタック:3
香り:フローラル、ミンティ、麦芽香、青リンゴ
味わい:コショウボク、ハチミツ、レザー
アルコール感:5
ピート感:3
 
 
 
総評:3.8
 
 
 
■ 静岡蒸留所について
 
創業者の中村大航氏はスコットランドアイラ島を訪れたときにウイスキー造りをしようと決めたみたいですね。
2012年に洋酒輸入販売としてガイアフロー株式会社を起業し、同年11月にウイスキー販売免許を取得。
2014年に静岡蒸留所の法人を設立。
2015年に静岡蒸留所を建設し、翌年に完成。
2016年9月にウイスキー製造免許を取得し、翌月に製造を開始しました。
 
 

 
静岡蒸留所の特徴は2種類の初留蒸留器を使って、2種類のニューポットを作り出しているところがあげられます。
「蒸留機W」はスコットランドのフォーサイス社製のもので薪直火蒸留製法にて700度で焚き上げます。
「蒸留機K」は閉鎖された軽井沢蒸留所から買い取ったもので、蒸気加熱製法にて蒸留しているなど、何ともこだわり満載のウイスキー造りで注目を得ていますね。
 
そんな2つの酒質をブレンドして作られたのが、今回テイスティングした「シングルモルト静岡ユナイテッドS」になります。
前評判の高いウイスキーだけにどんなものか味わってみましょうニコニコ花音譜
 
 
 
■  テイスティングノート
 
香り立ちはフローラルでハーブやユリのような酸味立つ甘み。
ミンティや青リンゴのニュアンス。
いわゆるドライな香りはバーボン香の芳醇さが漂います。アタックはほとんどありません。
 
味わいは口当たりにまず鋭いスパイスが押し寄せます。気を付けて口に含まないとむせる可能性がありますね。
奥にはハチミツの甘み。
フェインティが残る酒質のレザー感。
樽由来のスパイスはピシッとピンクペッパーの酸味や辛味が唇をしびらせます。
 
 
 
■  シングルモルト静岡ユナイテッドSの考察
 
これは私が今まで飲んだウイスキーのなかでもトップのスパイシーさではないでしょうか。
気を付けて飲まないと喉を痛める酒質です。
コショウの種を直で噛みしめたような刺激はかなり面白いウイスキーに仕上がってますね。
 
余韻のコク深さは無いですが、さらにドライな酒質の味わいに蒸留過程のフェインティさがまだ感じられるのでこれは熟成期間の若さに由来するものでしょう。
 
しかし強烈なスパイシーさがもたらす『静岡S』の狙った「味わい」は十分に分かります。スコッチの似た味わいとしてブレンダーにはぜひともコッツウォルズを飲んでみてほしいのですが、ここに明確なメーカーの差を示せなければ、コスパの良いコッツウォルズに軍配が上がる気もします。
 
静岡原酒でのミズナラカスクの味わいがどう出るか気になりますが、シングルカスクはどうしても味わいが分かりやすすぎますので、これを使うにはブレンダーの腕の見せ所かなと思います。
 
流石の本格ウイスキー。
料理のお供にあるお酒ではないと気付かせてくれる味わいをもたらしてくれました。