THE CLYDESIDE
STOBCROSS
 
SINGLE MALT
SCOTCH WHISKY
 
産地:スコットランド  ローランド地区
原料:モルト
容量:50ml
アルコール:46%
樽構成:1st.fill Bourbon樽、シェリー樽
希望小売価格:700ml / 7000円
 
 
色:薄金色
トップノート:3
アタック:3
香り:八角、穀物酢、ビール酵母、りんご、リコリス、ハチミツ
味わい:シルキー、ハチミツ、穀物酢、りんご
アルコール感:3.5
ピート感:0
 
 
総評:3.5
 
 
■ クライドサイド蒸留所について
 
 クライドサイド蒸留所は2017年にグラスゴーの真ん中に建てられた新進気鋭の蒸留所みたいです。
店主曰く、エジンバラが京都ならグラスゴーは大阪みたいなとこやさかいにキメてるって言ってました。
ボトラーズでもあるデュワーラトレー社のオーナー、ティムモリソン氏が興した蒸留所なんですね。
 
 

めっちゃ都会にありますね。
クライド川の側だからまさに「クライドサイド」なんですね。
 
もとを辿れば、1863年にモリソン家の曽祖父であるジョン・モリソンが、この辺一帯にクイーンズドックという船着き場を建設したのがこの場所に執着する理由になるみたいですね。そこではウイスキーの荷揚げが盛んな場所だったみたいです。
ウイスキーに携わるようになったのはその息子のスタンリー・P・モリソンがブローカーとして盛況したことからなんですね。
1925年にデュワーラトレー社を買収し、1936年にはシーバスブラザーズも買収。1962年に売りに出ていたボウモア蒸留所を買収し、蒸留所を所有するに至ったみたいです。1970年にはグレンギリー蒸留所も所有しました。
その後現オーナーのティムに世代交代するとダルモア蒸留所でウイスキーを学び、オーヘントッシャン蒸留所を所有。
1994年にモリソン・ボウモア社をサントリーに売却したことで、今はそれらの蒸留所は全てビームサントリー社が所有するに至った経緯なんですね。
 
ウイスキーと共に生きてきたモリソン家はその歴史に導かれ、ティムモリソン氏はグラスゴー発シングルモルトウイスキーの製作を決意し、曽祖父が建てたドックの復元にも尽力したみたいです。
そして2017年にクライドサイド蒸留所が完成し、2021年10月15日に「ストブクロス」を発売したんですね。
 
 
ほんではティムモリソン氏の力作を味わってみましょう指差し飛び出すハート
 
 
 
■  テイスティングノート
 
香り立ちはビール酵母や穀物酢、りんごのような酸味感。スパイスで言えば八角(アニス)に近い香りですかね。そしてドライにリコリスが立ち、バニラのような甘みが奥から漂います。アタックは和らいでますが香りの立ち消えは早いほうです。熟成が若く酒質がライトボディであるからかもしれませんね。
 
味わいはシルキーな口当たりですが、ハチミツの甘みとアタックがドッと押し寄せる感じで、喉元を温めながら抜けていきます。この甘みはシロップを直に味わうかのような甘みですね。
香りで感じた穀物酢やりんごの酸味もちゃんと現れます。
また、これらは飲む度に味わいとして感じられるのでこれがクライドサイドの酒質ベースとして解釈しても良いのではないでしょうかね。
そしてスパイシーさも甘さとの調和が取れていて中盤から余韻まで長く残ります。
 
 
 
■  ストブクロスについての考察
 
店主曰く、ローランド産大麦100%を使用し、2回蒸留とのこと。カスクメイツはファーストフィルバーボン樽を90%、シェリー樽を10%ブレンドして熟成期間は5年。ようやく第1号ウイスキーがリリース出来たとのことです。
 
いやはや、たかが5年されど5年の月日がかかるウイスキーにはありがたい気持ちで嗜みたいものですね。
 
まだ若いことと、バーボン樽がメインなので色合いは薄い金色。しかしブワッと香り立てば、白ワインのようにドライに漂うフルーツ感。シロップのような強い甘みの味わい。
どちらかと言えばスキャパスキレンのようなビールの残り香や穀物酢や八角香のするウイスキーの酒質になりますかね。
 
クライドサイドの目指した先はなんとなく成るように造ったわけではなく、ハッキリとアイデンティティを主張したウイスキーであると感じました。