GREAT KING STREET
BY COMPASS BOX
GLASGOW BLEND
BLENDED WHISKY
産地:スコットランド
原料:モルト、グレーン
容量:500ml
アルコール:43%
樽構成:ファーストフィルシェリー樽、ファーストフィル&リフィルバーボン樽、フレンチオーク新樽
希望小売価格:3880円
総評:3.8
色:黄金色
トップノート:3.5
アタック:2.5
香り:出汁、レーズン、海風、シェリー、ウッディ、土、たばこ
味わい:シルキー、出汁、ハチミツ、ブラウンシュガー、山椒、スパイシー、たばこ、リコリス
アルコール感:3
ピート感:4
■ コンパスボックスについて
「コンパスボックス」はスコットランドのスコッチボトラーズボトルメーカーです。
創業者はジョニーウォーカー社の元幹部だったアメリカ人のジョン・グレイザー氏で、2000年にエジンバラ市に設立しました。
ボトラーズボトルとは各蒸留所から原酒を買い付けて、自社で樽熟成を施したりヴァッティングやブレンディングをする小規模スコッチメーカーを指すようです。
対して、オフィシャルボトルとは蒸留所やそのオーナーが販売するものですね。
■ ボトラーズウイスキーが持つ意味
ボトラーズメーカーも老舗ともなると、蒸留所を所有したりオーナーになるケースが見られます。
・ゴードン&マクファイル社はベンロマック蒸留所。
・ケイデンヘッド社のオーナーはスプリングバンク蒸留所のオーナー。
・アンガスダンディ社はトミントールとグレンカダム蒸留所。
・イアンマクロード社はグレンゴインとタムデュー蒸留所。
・シグナトリー社はエドラダワー蒸留所。
そこは日本とは違い、会社は個人の所有物という概念よりも、一貫性のあるブランド価値やそのブランディング化、多面的ビジネスの透明さにより、ボトラーズスコッチは『 文化 』としての成り立ちの深さがうかがえますよね。
■ 本商品について
この『グレートキングストリート グラスゴーブレンド』は、メイン商品のブレンデッドモルト「スパイスツリー」「ピートモンスター」「オーククロス」「ヘドニズム」とは一線を画した、ブレンデッドウイスキーのシリーズになります。
*画像は公式ホームページから
グレートキングストリートはエジンバラ市に本社があったときの通りの名称です。
ですが現在本社はロンドン市の西部チズウィック(チジックとも)地区に移転されています。
そのため現行ボトルはラベルが刷新されグレートキングSTの名はなく『グラスゴーブレンド』となっています。
グレートキングは2種類ありフルーティな味わいの白ラベル「アーティストブレンド」と、スモーキーな味わいの赤ラベル「グラスゴーブレンド」となるようです。どちらもグラスゴー人が好む、19世紀のレシピを踏襲したウイスキーに仕上げてるみたいですね。
■ 本商品の詳細
驚くことに『 グレートキングストリート グラスゴーブレンド 』の詳細なレシピが公開されていました。
モルト原酒 比率 64.8%
- アベラワー蒸留所 :ファーストフィルシェリー樽 29%
- ラフロイグ蒸留所 :リフィルバレル 18.2%
- クライヌリッシュ蒸留所 :ファーストフィルバーボン樽 9.9%
- アベラワー蒸留所 :リヴァテッドシェリー樽 5.1%
- ハイランドモルトブレンド:ヘヴィトーストフレンチオーク樽 2.6%
*ハイランドモルトブレンドはクライヌリッシュ、ティーニニック、ダルユーイン
グレーン原酒 比率 35.2%
- キャメロンブリッジ蒸留所:ファーストフィルバーボン樽 35.2%
■ テイスティングノート
香りはまずレーズンのドライフルーツ香、磯辺より柔らかな海風香、スモーキーでドライなシェリー酒、甘みにスパイスが立ち上がるウッディの香りと出汁感。
全体的にバランス良くまとめ上げた香りになっています。シェリー樽の嫌味などちゃんと取り除いた感じがします。
味わいはハチミツやブラウンシュガーのような香ばしい甘みがファーストタッチで、出汁感ある甘いリコリスと山椒のようなスパイシーが口中に広がります。徐々にスモーキーさが見え隠れします。これはラフロイグそのものですね。余韻はそのスパイスが唇を痺れさせ、そのスパイスが鼻に抜けながらフィニッシュします。シェリー由来も相まってドライではなく、シェリーの甘みがほどよく延びる感じです。
■ おわりに
まさかこれがブレンデッドウイスキーなんですか?
おそらくグレーンのお陰でリコリス香が嫌味ない飲みやすさに影響してるのでしょう。
ブレンデッドウイスキー先駆者のスコットランドという国。
その歴史ある蓄積されたノウハウか、コンパスボックスのブレンダーの卓越した技術か、どちらにせよ良いお手本を見せてもらった思いです。素晴らしいの一言でした。