WILD TURKEY
AGED 8 YEARS
KENTUCKY STRAIGHT
BOURBON WHISKEY
産地:アメリカ ケンタッキー州
原料:モルト、グレーン
容量:700ml
アルコール:50.5%
希望小売価格:3000円
総評:4.3
色:赤茶色
トップノート:4
アタック:5
香り:ココナッツ、バニラ、バッカスチョコ
味わい:オイリー、ココナッツ、ハチミツ、スパイシー
アルコール感:4
ピート感:3
*数字は強さの程度を表しています。
■ アメリカン&バーボンウイスキーについて
ワイルドターキーはアメリカンウイスキーを代表するメーカーで、細分するとケンタッキーバーボンウイスキーになりますね。
バーボンウイスキーを名乗るにはケンタッキー州で蒸留熟成させることが条件みたいです。
条件の詳細はケンタッキー州の連邦アルコール法にさらに法規定されます。
その内容は主原料はトウモロコシでアルコール80%以下で蒸留。内側を焼いた(チャーリング)オーク材の新樽に62.5%以下で樽熟成させること。水以外の添加は禁止。2年以上熟成させると「ストレートバーボンウイスキー」を名乗れますので、本商品はそれに該当してます。
ちなみに大別のアメリカンウイスキーの定義は法律で厳格に決められている酒類になります。
その内容は主原料は穀物でアルコール95%以下で蒸留し、オーク樽で熟成(コーンは不必要)し、主原料の含有率は51%以上、ボトリングはアルコール40%以上と法記載されてるみたいです。
■ 主なケンタッキー州バーボンウイスキー会社
ケンタッキー州バーボンウイスキー有名蒸留所10社。
*()内は所有ブランドや補足。
- メーカーズマーク
- ジムビーム(ノブクリーク、ブッカーズ、ベイカーズ、ベイゼルヘイデン)
- ワイルドターキー
- フォアローゼズ
- バッファロートレース(ブラントン、エンシェントエイジ、イーグルレア)
- ウッドフォードリザーブ(7番が親会社)
- ブラウンフォーマン(アーリタイムズ、オールドフォレスター、ジャックダニエルは子会社)
- ヘブンヒル(エヴァンウィリアムス、エライジャクレイグ、I.Wハーパー委託製造)
- ミクターズ
- ブレットバーボン
細かい部分まで調べきれませんでしたが、実際にディスティラリーで検索すると、バーボンウイスキーメーカーや蒸留所はかなりヒットします。いわゆるクラフトウイスキーが多いです。
日本でも日本酒酒蔵やクラフトビールは地方にかなりありますからね。そんな感じです。
大別のアメリカウイスキーにすると400以上のメーカーがあるみたいですね。
余談が長くなりましたが本題に入りましょう!
■ ワイルドターキーについて
ワイルドターキーは1869年にトーマスリピー氏が創業し現在に至る。おわり。
■ ワイルドターキー8年について
ワイルドターキー8年の裏ラベルには「ナンバーフォー“アリゲーターチャー”」と書いてあります。
これはバーボンウイスキーは新樽の内側を焦すことが義務ですが、焼き具合は1から4段階あり、3と4はヘビーリチャーと言うそうです。中でもナンバー4はその焼きの強さからまるでワニ革の表面のようなひび割れを起こすので、それをアリゲーターチャーと言うみたいですね。
これがどうワイルドターキー8年に影響を及ぼしているのか早速テイスティングをしていきましょう。

■ テイスティングノート
香りはアメリカンオーク樽ラクトン由来のココナッツ香、トースティングによる甘いバニラ香、樽香芳ばしくトフィー香、これがザ・バーボンですね。複合的にはバッカスチョコのような芳醇さもありますね。
味わいはココナッツオイルとハチミツ様の芳醇な甘み。スパイシーさが辛口ドライなキレ味で長い余韻へと続きます。
バーボン特有のココナッツハチミツに、50%のアルコール、糖蜜のコクと辛口ドライなキレ味は、なかなかインパクトのあるバーボンウイスキーだと思いました。
香りの立ち消えもほとんど無く、かぐわしく味わうという嗜みが楽しめます。
■ バーボンの考察
バーボンが苦手な人の多くが、ホワイトオーク材に含まれるオークラクトンとリグニンという成分の香味を挙げると思います。
これはバーボン特有のココナッツ香や接着剤香が新樽熟成も相まって強く出る傾向があります。
しかしこれで二度と飲まない宣言をするのは早計ですよ!
この強い香味は開栓時に現れるもので2週間以上経って再度飲んでみると、嫌味はバーボン特有のコレコレ!感の香味に変わると思います。
さらにバーボンは熟成が早いため、スコッチの倍ともいえる熟成感が味わえます。極端に言えば、ターキー8年はスコッチの16年くらいの芳醇さが実際に得られてるわけです。
■ バーボンウイスキーに使うホワイトオーク材の特徴
ホワイトオークには数多くの複雑な香味成分があります。
- ヘミセルロース:カラメル、シュガー、トフィーの香味
- オークラクトン:オイリー、ココナッツ香味
- タンニン :渋み
- リグニン :バニラ、スパイス、スモーク、溶剤
これらがウイスキーの香味のベースであり、様々なカスクベースの香味のもとでもあります。
ウイスキーの複雑な香味は、木材の質や熟成状態など様々な要因があり、どの香味が突出するのか、どんな味わいになるのか樽出しするまで誰も分からないみたいですね。
そこで一樽一樽違う味わいのウイスキーの品質を、一定に保つのが「ブレンダー」のお仕事なんですねぇ。
私のテイスティングノートも実際に感じられる「味」しか表現してませんので、書き記したノートはつまらないかも知れません。しかしこれに「コク」とか味の「深み」という五感以上の美味の実感が得られれば総評は高いというわけですね。