Grand Old Parr
Aged 12 Years
De Luxe
Scotch Whisky
 
産地:スコットランド スペイサイド
原料:モルト、グレーン
容量:1L
アルコール:43%
価格:不明
 
 
総評:3.5
 
 
色:赤褐色
トップノート:3
アタック:4
香り:樽香、あんず、シェリー香
味わい:シルキー、モルティ、蜂蜜、ピーティー、スパイシーな余韻
アルコール感:3
ピート感:3
 
 
 
■ オールドパーとは
 
1871年にグリーンリース兄弟が興したグリーンリースブラザーズ社が起源になります。
ウイスキー事業を始めるにあたって、インパクトのあるデザインとキャラクターをブランド作りに生かしたことで好評を博したみたいです。
それが「オールドパー」なんですね。
 
オールドパーはウイスキー好きなら知らない人はいないと言っても過言ではありません。
昔に考案された高級感を醸し出すどっしりとした四角いボトル。
このひび割れ模様は陶器のそれを表したものなんだとか。
名前の由来は159歳まで生きたといわれるトーマスパー爺さん(グランドオールドパー)から名付けられています。
このパー爺さんの元の肖像画はなんとあのルーベンスが描いたんですって!
ルーベンスと言えば、ベルギーを舞台にしたイギリスの小説「フランダースの犬」で、主人公のネロが人生最後に見たかった名画を描いた画家ですよ!!
ネロはノートルダム大聖堂(聖母大聖堂とも、アントワープ大聖堂とも)に飾られている「キリストの昇架」と「キリストの降架」が見たくて、念願叶ってやっと見れたときには力尽き、愛犬のパトラッシュと共に息を引き取る結末の何とも言えないアニメでしたね。
 
主人公が最後無くなる作品は多いと思いますが、ただ無情にも死ぬというより、キャラクターの性格や生き様、今までのストーリーの奥行があるから生まれる、その「死」への感慨深さに人は心打たれるんでしょうね。
毛色は違いますが、オペラの「蝶々夫人」も最後のその「死」には感慨深さを感じました。
 
ルーベンス作「キリストの降架」
 
 
とまあ、話が脱線しましたが、オールドパーは日本との繋がりは古く、明治時代まで遡ります。
岩倉使節団がイギリスを訪れた際に明治天皇への献上品として持ち帰ったことで有名ですよね。
当時もこの味わいだったのでしょうかね?
なるほど明治天皇が舌鼓をしたであろうこのウイスキーは、
その伝統と味わいを現代に届け続けていることに感慨深さがあります。
 
 
 
■ テイスティングノート
 
香り立ちは全体的によくあるブレンデッドウイスキーの古樽香がしますが、
シェリー樽由来と思われる香りはアンズのような芳醇な甘みが立ち込めます。
味わいは滑らかな口当たりでモルティ感漂う甘味。

熟成からくる濃密な蜂蜜の甘味、ピーティーな辛味の二段階仕立て。

余韻は樽由来の酸味と渋みがスパイシーにフィニッシュします。

 
香りは熟成物として多少古目立ちか普通っぽさもありますが、
飲んでみると、重厚なフルボディさが一口で分かるウイスキーでした。
まさに「噛めば噛むほど味が出る」という慣用句にぴったりで、その複雑な味わい深さに驚きました。
古いお酒のほとんどが気が抜けていたり、酸化したり、カビ臭くなったりとネガティブ要素が強いので、
あまり期待しないほうがいいのですが、このオールドパーのように良い状態に保存されていれば、
当時の味わいがまだ楽しめることが分かりました。
 
このオールドパーは実家の棚の奥にずっと置いてあったものです。
この美味しいかどうかの判断が付きにくい風格、手に取りづらいですよね(笑)
まず色付きボトルは中身が見えない分、美味しさが未知数ですからね。
まあお金出してまで古酒を飲むかと言われれば、微妙ですね~。